「人生を楽しむ」と言えるようになった自分

私が本当の意味で「人生を楽しむ」と言えるようになったのは、40歳を過ぎた頃のことでした。それまでは、自分に与えられた役割や、自らやりたいと思ったことに無我夢中で取り組む日々を送っていました。目の前の課題に全力を尽くしたり、サボったりの人生。そんな日々の中で、「楽しむ」という感覚を深く考える余裕は今、考えるとほとんどありませんでした。

しかし、仕事を通じて海外に行く機会が増え、世界には実に多様な人々がいることを知りました。国や文化、価値観が異なる人々と出会い、彼らの生き方に触れることで、私自身の考え方も少しずつ変化していきました。そして、ある時ふと、「自分はこの世界でたった一人しか存在しない」という極めて当たり前の真理を強く意識するようになったのです。

この気づきが、私の人生観を大きく変えるきっかけとなりました。誰も私と同じ人生を歩んでいないという事実。それはつまり、私が経験してきたことは、私だけのオリジナルであり、世界で唯一のものだということです。そう考えると、これまでの出来事すべてが、かけがえのない大切な時間だったのだと気づきました。そして自分という存在がより好きになり、自分の全てを愛し許すことの大切さを感じ始めました。

「楽しむ」という言葉を聞くと、多くの人は賑やかに笑い合ったり、何か特別なイベントを経験することを想像するかもしれません。しかし、私が感じる「楽しさ」は、そうした表面的なものではありません。何か新しいことに挑戦するたびに直面する試練や困難、思いがけない出会いや学びを、前向きな気持ちで受け入れること。その一つひとつを味わいながら、自分の人生に深みを加えていくことこそが、本当の「楽しさ」なのではないかと思うのです。

もちろん、挑戦には成功も失敗も伴います。思い通りにいかないことも多く、壁にぶつかることもあります。それでも、「自分だけの人生を生きている」という実感を持てることが、私にとって何よりの幸せです。そして、その積み重ねこそが、心から「人生を楽しんでいる」と言える理由なのです。

大学生の皆さんとお話する機会を持つと、未来に大きな希望を抱いている学生さんもいれば、やりたいことが見つからず不安を抱えている学生さんもいます。そんな学生たちに私が伝えることは、「今が大切」だからこそ「今を充実させること」に集中すること。そして、未来が決まっていないことや、やりたいことがまだ見つかっていないことこそが、自分の可能性を無限大にしてくれるということです。無理やり、夢なんて創らなくていいと考えています。

今では、どんなことも楽しむマインドを持つことができるようになりました。スポーツバー「FEEL FREE」を開業したのも、その一環です。これまでの経験を生かしながら新たな挑戦を続け、自分らしい人生を創り上げていく。その過程こそが、私にとっての「人生を楽しむ」ことなのです。

SPORTS BAR FEEL FREE オーナー

宮﨑 善幸

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