「信じ続ける」ことで得られるすごい力

コーチとして「あなたのフィロソフィー(哲学)は何ですか?」と聞かれたら、私は迷わずこう答えます。
――「信じ続けること」です。

この言葉が私のフィロソフィーになったきっかけは、大学4年生のときの出来事にあります。

当時の私は、卒業後に“プロのトレーナー”を目指しており、3年生でプレーヤーを引退し、4年生ではラグビー部の専属トレーナーとして活動しながら、勉強に集中しようと考えていました。そんな矢先、同期から「キャプテンをやってほしい」と推薦されたのです。

「プレーヤーとしてキャプテンを務めるか、それともトレーナーの道に専念するか」。私は真剣に悩みました。そのとき、自分に問いかけたのが「今しかできないことはどちらか?」という視点でした。

考え抜いた末に出した答えは、“キャプテンとしてチームで勝つこと”。掲げた目標は「関東3部リーグ優勝・2部昇格」。一方で、プロトレーナーの道は“50歳からでも挑戦できる”と信じ、今この瞬間にしかできない挑戦を選びました。

この決断は今でも間違いではなかったと思っています。そしてこの経験以来、私は「今を大切に選択する」ことを信条にしています。

キャプテンとしてチームを率いるにあたり、私は同期12名に一つだけ約束をお願いしました。
それが――「信じ続けること」。

どんなに苦しい状況になっても、ゴールである“2部昇格”を信じ続けること。
自分自身を信じ続けること。
仲間を信じ続けること。
そして、最後の笛が鳴る瞬間まで“達成できると信じ続けること”。

このたった一つの約束を胸に、私たちは1年間を戦い抜きました。最後の最後まで様々な出来事が起こりました。しかし誰一人として「もう無理だ」とは言わなかった。全員が自分の形で“信じ続ける”ことを貫きました。

そしてその先に待っていたのは、悲願の「2部昇格」。
勝利の瞬間、涙が止まりませんでした。そして「ほっとした」安堵感と達成感が湧き上がり、同期12名への感謝の気持ちでいっぱいになりました。

あのとき、確信しました。
“信じ続ける力”には、現実を動かすほどのエネルギーがあるということを。

人は、信じることを途中でやめた瞬間に夢を失います。けれど、信じ続ける限り、可能性は途絶えない。

この大学時代の経験が、今の私のコーチング哲学「信じ続ける」に直結しています。どんなに困難な状況でも、信じることをやめなければ、必ず道は開ける。

“信じ続ける”ことこそが、人の成長を支え、チームを変え、そして人生を動かす――私はこれからもそう信じ続けていきます。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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