さりげない目配り・気配り・心配りが信頼と尊敬を生む

今日は、私が心から尊敬し、信頼している一人のコーチについてお話ししたいと思います。
そのコーチの最大の特徴は、圧倒的な「観察力」と「気配りの深さ」です。

コーチという立場では、選手のプレー技術にばかり目を向けがちですが、それだけでは不十分です。
本当に選手の力を引き出すコーチは、表情や仕草、声のトーン、疲労の度合い、さらにはチーム全体の空気感までも感じ取り、「今、何が必要か」を察知できる人です。

私が尊敬するその方は、常に目配り・気配り・心配りを欠かしません。
しかし、それを“頑張ってやっている”と感じさせることはなく、むしろその気配りは自然で穏やかです。

例えば、スタッフが地味な仕事をしてくれているときにも、いつも「ありがとうございます」と感謝の言葉を添え、さりげなく手を貸してくれる。
そうした小さな行動の積み重ねが、チーム全体を温かい雰囲気で包み込みます。

気配りとは、決して目立つものではありません。
むしろ「見えない部分」でこそ力を発揮するものです。
誰も気づかないようなところに自分の心が届いている。
そんな行為の積み重ねこそが、周囲の信頼を静かに育んでいくのだと思います。

そして、その背景には必ず「常に相手を見ている」という意識と、「相手の立場に立って考える」という姿勢があります。

コーチングの世界では、強い言葉や大きな声、劇的なパフォーマンスが注目されがちです。
しかし、私が尊敬するこのコーチは、むしろ静かに、淡々と、裏側で支え続ける人です。
一見あまり目立たなくても、選手たちはその静かな支えに気づいています。
そして、「この人は自分を見てくれている」「この人だったら任せられる」と、自然に信頼を寄せていくのです。

私自身、これまで多くのコーチや指導者と関わる機会がありました。
その中で特に印象に残るのは、この「見えない力」を持つ人たちとの出会いです。
言葉は少なくても、姿勢や所作、そして気配りが相手に伝わる。
むしろ信頼とは、そうした“見えない部分”から生まれるものだと強く感じています。

今、私が運営している FEEL FREE においても、この考え方を大切にしています。
お客様の表情や会話の様子、足取り、さらにはその場の空気の変化までも感じ取り、その日の気分や疲れ具合を察する。
そこから最適な空間や料理、おもてなしを提供する。
それは、スポーツ現場のコーチングと本質的には同じことだと信じています。

観察し、感じ取り、そっと寄り添う。
その積み重ねこそが、「また来たい」と思っていただける信頼を育てるのだと思います。
時には言葉にせずとも伝わるものがある。静かに、でも確かに。
その力を、私はこれからも大切にしていきたいと思います。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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