アンラーンがキャリアに与える影響とその活用法

キャリアの歩み方には、大きく二つのタイプがあります。
ひとつは明確なゴールを描き、そこへ向けて逆算しながら計画的に進むタイプ。
もうひとつは方向性だけ決めておき、その時々で起こる出来事や出会いを受け入れながら柔軟に進路を変化させていくタイプです。
私は22歳のとき、「30歳で日本代表のコーチになる」と明確にゴールを掲げた典型的な前者でした。
しかし、実際に歩んだ道のりは決して一直線ではなく、思いがけない出来事がキャリアを広げてくれたことの連続でした。
今振り返ると、計画通りに行かなかった“余白”こそが、自分の成長を一番後押ししてくれたのだと思います。
そして50歳の誕生日──
2024年6月30日に、長年描いてきた夢だったスポーツバー「FEEL FREE」をオープンしました。
20代から「いつか自分のスポーツバーを作りたい」という想いを持っていましたが、現在のような完全予約制・一日一組限定というスタイルは、実は当初の計画には全くありませんでした。
この形になったのは、人生の途中で得てきた数々の経験やヒントが積み重なった結果です。
世界30カ国近くを巡る遠征で見てきた“人が自然に集まり語り合える空間”
指導現場で感じてきた“深くつながる時間の価値”
家族・学生・仲間との出会いから気づいた“居心地の良さとは何か”
こうした経験がFEEL FREEのコンセプトとして静かに形を与えてくれました。
さらに完全予約制にしたのにはもう一つ理由があります。
私は現在、大学教員、ラグビーの現場、指導者養成、研究活動、そして地域のスポーツの仕事など、複数の役割を担っています。
このように多様な仕事を兼任しながらも、心を込めてスポーツバーを運営したい──
そのためには「無理をしない働き方」であることが大切でした。
だからこそ、一日一組限定の予約制が私には最も合っていたのです。
お客様と丁寧に向き合い、仲間同士がゆっくりと過ごせる特別な空間を提供し、私自身も無理なく続けていける。
計画していたわけではないのに、気づけば自分の働き方にも人生観にもぴったり合う形になっていました。
このプロセスこそがアンラーン(unlearn)の力だと思います。
アンラーンとは、過去の成功体験や“こうあるべき”という固定観念をいったん手放し、今の自分に合う形へと再構築すること。キャリアでもビジネスでも、枠を外すことで新しい発想や可能性が生まれます。
そして51歳になった今、私は自分の仕事の名称を**“スポーツコネクター(Sports Connector)”**と表現することにしました。チャットGPTで調べてみたところ、この名称で仕事をしている人は日本にも海外にもほとんど見当たりませんでした。
そうであるなら、私が“最初の一人”になればいい。
スポーツという共通言語を使って、人・組織・地域・未来をつなぐ──
これは、私自身の残りの人生をかけた“使命”そのものです。
キャリアは、描くものでもあり、育つものでもある。
これからも手放し、学び直し、自分のペースで楽しみながら、
スポーツを通して人をつなぐ“スポーツコネクター”としての道をコツコツ歩いていこうと思います。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸
