アンラーンを日常に取り入れる実践的な方法

私たちは、気づかないうちに“当たり前”という枠の中で生きています。
見慣れた景色、聞き慣れた言葉、やり慣れた行動。
そのすべてが、実は新しい学びや発想の芽を見えなくしてしまうことがあります。
だからこそ、「学ぶ」より先に「手放す」。
つまり アンラーン(unlearn) が重要になります。
アンラーンとは、これまでの思い込み・常識・固定観念を一度リセットし、
新しい視点を取り入れる準備を整えることです。
その第一歩は、日常の中の“見えるもの”に疑問を持つこと から始まります。
◆日常を使って「質問」をつくる
先日、スポーツコーチングゼミの学生とメンタリングをしている時、私はある課題を出しました。
「今、目に見えているものから質問をつくってみよう」
コーチングにおいて、質問は中心的なスキルです。
選手のプレーを見て、動きの背景にある“意図”や“思考”を引き出すには、
適切な質問が欠かせません。
そして質問力を鍛える方法は、特別なことをする必要はなく、
日常のあらゆるものに小さな疑問を持つこと なのです。
例えば、街の飲食店の看板を一つ見ても、質問はいくらでも生み出せます。
- WHO:この看板のロゴは誰がデザインしたのだろう?
- WHEN:いつ頃つくられたものなのだろう?
- WHERE:使われている木材はどこのものだろう?
- WHY:「み」の字だけ色が違うのはなぜ?
- WHAT:看板に込められた思いやコンセプトは?
- HOW:どのような工程で作られているのか?
- HOW MUCH:制作費はいくらくらいだろう?
たった一枚の看板でも、これだけの疑問が湧いてきます。
これはまさにアンラーンの実践です。
“ただの看板”と見てしまう思い込みを外し、
新しい視点で世界を見るための訓練になります。
◆質問力がコーチングにつながる理由
スポーツ現場でコーチが発揮すべき力の一つが「観察力」です。
目で見える情報に加え、音や空気感など五感全てを使って状況を捉えます。
そこに、選手の変化の兆しを感じ取る力が加わると、
“良いプレー”の芽を逃さず承認することができます。
「今のすごく良かったよ」
たった一言の承認が、選手の自信を育て、プレーの定着に大きくつながります。
その承認のタイミングや根拠を見つけるためには、
日頃から“問いかける目”を持っているかどうかが鍵になります。
さらに、選手がどんな意図でプレーしたのかを理解するには、
自然と良い質問が必要になります。
「今、何がその選択をした理由なの?」
「どこを見て判断した?」
「もう一度やるなら、次はどう考える?」
こうした質問は、選手の思考を深め、再現性を高めます。
つまり 質問力=コーチング力 と言っても過言ではありません。
◆アンラーンがもたらす新しい視点
日常に疑問を持つことで、世界の見え方が変わります。
当たり前だと思っていたものの裏側に、
人の想い、工夫、歴史、仕組みがあることに気づけるようになります。
アンラーンとは、
「世界を新しい目で見るトレーニング」 です。
そしてその力こそが、
スポーツの現場でも、ビジネスでも、学びでも、
新しい発想を生む源泉になります。
目の前の“当たり前”を一度外し、疑問を持つ。
その小さな習慣が、あなたの未来を大きく変える第一歩になります。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸
