リーダーがメンバーから信頼を得るための行動

「何度伝えても、理解してくれない部下や選手がいる」——。
リーダーとして、こんな悩みを抱えたことはありませんか?
上司が繰り返し注意しても、コーチが丁寧に説明しても、同じミスが続く。そのたびに、「どうしてわかってくれないんだろう」と、いら立ちや無力感を感じてしまうこともあるでしょう。

でも、ここで大切なのは、「相手を変えようとする」姿勢ではなく、「自分が変わる」姿勢です。
なぜなら、人をコントロールすることは、どんなに頑張ってもできません。変えられるのは、自分自身だけだからです。

「理解してくれない」のではなく——
相手を理解していないのは、リーダー自身なのです。
この視点に立つことで、リーダーとしての在り方が変わります。
相手の行動の裏には、必ず理由があります。
伝わりにくい言い回しだったのかもしれません。
タイミングが悪かったのかもしれません。
あるいは、相手の価値観や経験に合わないアプローチだったのかもしれません。


まず大切なのは、「見本になる」ことです。
人は、言葉よりも行動で判断します。
口では「責任を持って」と言いながら、自分は責任を回避する態度を取っていたら、誰も心からついてきません。
逆に、失敗しても前向きに向き合い、誠実に行動する姿を見せれば、自然と「この人の言うことなら聞いてみたい」と思ってもらえるようになります。
リーダーの背中は、何よりも強いメッセージです。
それが、信頼の第一歩になります。


次に、「信頼する」ことです。
「できない人」と決めつけるのではなく、「まだその段階にある人」と捉える視点が大切です。
人は、信じられることで伸びます。
信頼とは、「完璧にできる」と期待することではなく——
「可能性を信じて、待つ」ことです。
叱るのではなく、「あなたならできるはず」という眼差しで接することで、相手の心は開かれ、自ら変わろうとする力が湧いてきます。


そして、「支援する」ことです。
「理解してもらう」ためには、相手の立場に立って考えることが必要です。
同じ言葉でも、伝わり方は人それぞれ。
相手がどんなときに安心して話せるのか。
どんな説明なら腑に落ちるのか。
支援の方法は、何万通りもあります。
それを丁寧に探ることが、本当の「支援」です。
時には、言葉ではなく、一緒に行動することで理解を促すこともあります。
小さな成功体験を積み重ねていくことが、本当の理解と、そして自信につながっていきます。


ここで肝心なのは、「自己責任」の姿勢です。
「理解してくれないのは相手のせい」ではなく——
**「理解させられていないのは、自分のせい」**と捉えることです。
相手を責めるのではなく、自分の伝え方、関わり方を見直す。
その謙虚さと柔軟さが、信頼関係の土台になります。


リーダーの役割は、人を動かすことではありません。
人が自ら動き出す環境をつくることです。
命令や管理では、一時的な従順は得られても、本物の信頼や主体性は育ちません。
見本を示し、信頼を置き、心を込めて支援する——。
その積み重ねが、メンバーの心を動かし、チーム全体の力を引き出します。


「理解してくれない」のではなく——
リーダーである自分が、部下や選手を心から理解しようとしているか
そう自問できるリーダーこそが、真にメンバーから信頼される人です。
あなたが一歩、自分自身を見つめ直すことで、チームは少しずつ、確実に変わっていきます。


今日から、背中で語り、
信頼を置き、
寄り添う支援を——。

それが、あなたのチームを強くする、最も確かな方法です。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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