リーダーの尊敬と信頼は自分を知ることから始まる

リーダーにとって、部下から「尊敬」と「信頼」を得ることは誰もが求めることではないでしょうか。組織やチームの成果を左右するのは、スキルや戦略の前に「関係性の質」であると私は考えています。その関係性の中核にあるのが、互いの尊敬と信頼です。リーダーと部下が「心のど真ん中」で繋がっている関係こそが、困難な状況に直面したときにも揺るがない強いチームの土台になります。
では、どうすればリーダーは部下から尊敬と信頼を得ることができるのでしょうか。答えはとてもシンプルです。リーダーこそが、まず部下を心から「尊敬し、信頼する」ことです。人は自分を大切に扱ってくれる相手を自然と信頼します。リーダーが部下を尊敬と信頼の眼差しで見つめるとき、その姿勢は言葉以上に伝わり、やがて相互の信頼関係が生まれます。
しかし、ここで重要なのは「どうすれば部下を心から尊敬し、信頼できるか」という点です。私の経験から言えば、それは「自分を知ること」から始まります。相手を理解しようとする前に、自分自身を理解していなければ、真の尊敬や信頼は生まれません。自分の価値観、強み、弱み、癖、思考の傾向——それらを言葉にして説明できることが、自分を知る第一歩です。
さらに、自分自身を尊敬できるようになることが、他者を尊敬するための条件でもあります。自分の生き方や選択に誇りを持てる人は、他者の努力や個性も自然と尊重できます。また、自分を信頼できる人は、他者にも信頼を寄せられます。言い換えれば、自分を疑っている人は、周囲の行動や発言にも不安を感じやすくなります。だからこそ、リーダーに必要なのは「自分との信頼関係」を築くことなのです。
自分を知ることは簡単なようで、とても難しいことです。なぜなら、私たちは日々の忙しさの中で、自分を客観的に見つめる時間を持てないからです。しかし、自分を知る方法は一つではありません。日記を書く、コーチ・メンターと一緒に探る、感情の変化を観察する、自然の中で静かに考える——どんな方法でも構いません。大切なのは、「自分を知ろうとする姿勢」です。
そして、自分を知る過程そのものを楽しめるようになると、自分に合った方法が自然と見つかります。リーダーとしての成長は、他者を変えることではなく、自分を知り、磨くことから始まります。自分の存在を深く理解したとき、初めて部下への尊敬と信頼が心から湧き上がり、チームは本当の意味で一つになっていくのです。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸
