人との縁と運に恵まれた人生

これまでの人生を振り返って、私は心から「人との縁と運に恵まれてきた」と言い切ることができます。縁も運も、自分の意志ではコントロールできません。しかし、それに恵まれるかどうかは、「出会いをどう受け止めるか」「自分自身をどう信じるか」といった姿勢次第で大きく変わってくるのではないかと感じています。
大学1年生だった頃の私は、決して誇れるような学生ではありませんでした。「言い訳」「人のせい」「感謝のなさ」──そんな言葉が当時の自分を表しています。努力もせず、プライドだけ高く、うまくいかない理由を環境や他人のせいにしていたのです。そんな私を変えてくれたのが、人との出会いでした。
大学4年生のとき、チームのキャプテンという重責を任せていただきました。「目標を信じ続けること」を貫いた結果、関東大学リーグ3部で全勝優勝という成果を収めることができました。この経験を通して私は、「努力と信念は必ず結果に結びつくこと」、そして「一人では何も成し遂げられないこと」を学びました。
その後、指導者としての道を歩む中でも、数えきれないほど多くの素晴らしい人たちとの出会いがありました。女子代表チームのプロコーチとしてアジア5位からスタートし、アジア王者にまで導けたのも、選手・スタッフ・家族・関係者の皆さんとのご縁、そして運に恵まれたからこそです。そして何より、本格強化が始まる前の女子ラグビーの主体性を重んじる文化が、土台となって支えてくれていたのだと思います。
現在、私がGMを務める「ARUKAS KUMAGAYA」、そして新たに立ち上げた「FEEL FREE」という空間も、すべては人とのご縁から生まれたものです。たとえばFEEL FREEのロゴやホームページを手がけてくれたデザイナーとの出会いも、一見すると偶然のようでいて、今振り返ると「必然だった」としか思えません。出会ったすべての方々が、私の想いをくみ取り、自分以上の力を発揮していただき僕をサポートしてくださいました。
縁や運は、自分で選ぶことも、思い通りに操ることもできません。私たちにできるのは、「与えられた縁を大切にすること」、そして「起きていることを“運がいい”と思える心を持つこと」だけです。さらに、「自分は運がいい」と信じること。それがまた、新たな縁や運を引き寄せてくれるのだと思います。
もちろん、私の人生は決して順風満帆だったわけではありません。それでも、いつも不思議なほどタイミングよく“つなぎ役”のような存在が現れ、次のステージへと導いてくれました。
これからも、その一つひとつのご縁に感謝しながら、「人との縁と運に恵まれた人生」を歩み続けていきたいと思います。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸