人との縁に恵まれる運


「一期一会」と言いますが、人との縁、そしてどのタイミングで出会うかの運は、天文学的な数字の中で起こる奇跡だと私は思います。

まず、私たち一人ひとりが「この世に生まれる」こと自体が奇跡です。筑波大学名誉教授の村上和雄先生は、この確率を「1億円の宝くじが100万回連続で当たるほどの確率」と表現しています。精子と卵子の無数の可能性の中から、たった一人としてこの世に存在することができた――それだけで、私たちは奇跡の連続の中にいるのです。

そして、その奇跡の命をもって人生の中で出会う人は、およそ1,000〜2,000人にすぎません。世界人口は約80億人。その中から、たった一人に出会える可能性は、想像を超えるほど希少です。考えてみれば、「生まれる奇跡 × 出会う奇跡」の掛け算によって、私たちは人と関わり合っていることになります。

さらに、その出会いの中で「深い仲間」と呼べる人に巡り会えるのは、さらに限られます。500人に1人、あるいは100人に1人の確率でしか現れません。しかし、こうした仲間は縁と運、そして時間の積み重ねで生まれるものです。共通の目標を持ち、困難を共に乗り越え、質の高い時間を一緒に過ごすことで関係は深まります。スポーツで同じチームに所属し、目標を共有する仲間は「宝くじが当たる以上の価値」を持つと言えるでしょう。

私はこれまで、スポーツを通じた仲間や、ラグビーの遠征や旅の中で出会った人々との関わりを通して、「人との縁に恵まれて生きてきた」と実感しています。世界中に出かけるたびに感じるのは、身近な人との出会いは偶然ではなく、縁と運によって導かれているということです。そして、その中で生まれる人間関係には、自分の人生を豊かにしてくれる意味が必ずあります。

日常の中でふとした瞬間に誰かと出会ったとき、それは単なる偶然ではなく、宇宙レベルの確率で出会えた人として大切に受け止めたいものです。その瞬間を意識して大切にすることで、人生の価値はさらに深まります。生まれる奇跡、出会う奇跡、そして深い仲間との奇跡――その全てを意識することで、日常の縁はより鮮やかに、温かく輝いて見えるのです。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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