伝わるプレゼンと伝わらないプレゼンの違い

プレゼンテーションという言葉の語源は、英語の「プレゼント」に由来すると言われています。つまり、プレゼンとは「相手に喜ばれる贈り物を届けること」。自分が伝えたいことを一方的に押しつけるのではなく、相手の立場に立って、価値のある情報や想いを届ける行為なのです。

では、「伝わるプレゼン」と「伝わらないプレゼン」は何が違うのでしょうか。

私がまず大切にしている視点は、「相手が求めていることかどうか」です。どれほど情熱を込めても、それが相手にとって関心のない内容であれば、なかなか伝わりません。人それぞれ興味や価値観は異なります。だからこそ、プレゼンをする際は、「どうすれば相手の心に届くか?」を意識し、相手目線で準備をすることが大切です。

そしてもう一つ、私が最も重視しているのが「自分の言葉で伝える」ということです。他人の言葉を借りて話すのではなく、自分が本当に感じたことや経験したことを、自分の声で語ること。それが、最も伝わる力を持つと感じています。

そのためには、「等身大で話すこと」がとても大切です。必要以上に背伸びをすることなく、かといって自分を過小評価することもなく、今の自分をそのままの姿で伝える。つまり、飾らない言葉で、真実の想いを届けるということです。

自分の言葉で話すとは、つまり、自分をよく知り、自分の足元にしっかりと立って話すことです。そのためには、日々の経験や感情と丁寧に向き合うことが求められます。そして、そこから生まれる言葉こそが、聴き手の心に届く言葉になるのです。

プレゼンの場では、聴き手は想像以上に鋭く、プレゼンターの本気度や言葉の温度を感じ取っています。だからこそ、自分の言葉で、等身大で語る姿勢が、最も誠実で伝わるプレゼンになると私は信じています。

私は現在、大学で講師をしていますが、授業という場も一つのプレゼンです。毎回の授業が「伝わる場」になるように、準備を重ね、内容を練り、学生たちと向き合っています。しかし、それでも完璧に伝えることは難しく、毎回反省の連続です。それでも、目の前にいる学生たちは、私自身が成長するために現れてくれた存在だと思っています。

プレゼンとは、聴いてくれる人への贈り物です。そして、贈り物を用意するには、相手を思い、自分自身と向き合い、心を込めることが大切です。これからも私は、自分の言葉で、等身大の想いを大切に、伝える努力を続けていきたいと思います。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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