全ては自分の選択が人生を成功に導く

私たちの人生は、日々の「選択」の積み重ねでできています。
何を食べるか、誰と関わるか、どんな言葉を使うか。小さな選択が積み重なって、今の自分をつくっています。

この考え方を理論として知ったのは、ずっと後のことでした。
それが「選択心理学(Choice Theory)」です。アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサーによって提唱されたこの理論は、「人は外からの刺激で動かされるのではなく、自分の内側の欲求によって行動を選択している」という考えに基づいています。
つまり、怒るのも、逃げるのも、努力するのも、自分がその瞬間に最も必要だと感じたから“選んでいる”。他人や環境のせいではなく、行動の舵を取っているのは自分自身なのです。

この理論では、人間には「愛・所属」「力・達成」「自由」「楽しみ」「生存」という5つの基本的欲求があるとされます。そして、私たちはそれらを満たすために、日々さまざまな選択をしています。つまり、「自分の人生は自分で創っている」という考えが根本にあるのです。

ただし、私はこの理論を大学3年生のときに知っていたわけではありません。
当時の私は、まさにその逆を生きていました。
思い通りにいかないことがあれば、すぐに他人や環境のせいにしていました。試合で負ければ「チームメイトのせい」、成績が伸びなければ「指導者のせい」。努力が報われなければ「自分は運が悪い」と思い込んでいました。
そして、そんな自分を正当化するように、「どうせ頑張っても意味がない」と心のどこかで決めつけていたのです。

その結果どうなっていたかというと、一見、穏やかで安定した日々を送っているように見えましたが、心の中は常にモヤモヤしていました。どこか満たされず、充実感もなく、ただ時間だけが過ぎていく。
怖いのは、その「安楽な状態」に自分では気づけなかったということです。自分の中の違和感を見ようとせず、他者のせいにして生きることで、自分の成長を止めていたのです。

そんな私が変わるきっかけになったのは、人との出会いでした。
自分を信じ、真剣に生きている人たちと出会う中で、自分の考えや行動を振り返るようになったのです。そして次第に、「もしかして、自分の今の状況は自分の選択の結果なのではないか」と思うようになりました。

その気づきは、誰かに教えられたものではなく、自分自身の中から生まれたものでした。
この「自分で気づけた」という経験が、私の人生を大きく変えたのです。
人は、他人からどれだけ正しいことを言われても、本当の意味で変わることはできません。自分の中で“納得”し、自分の意志で“選択”したときに初めて、行動が変わり、人生が動き出します。

後になって選択心理学を学び、その理論を知ったとき、「あのとき自分が感じたことは、まさにこれだったんだ」と心から納得しました。
自分の行動も、感情も、思考も、すべては自分の選択によって成り立っている。
その事実を“自分で気づけた”ことが、私にとって最大の財産です。

人生には、思い通りにならないことがたくさんあります。
けれど、その中でも「自分がどう行動するか」は、いつだって自分で選べる。
その積み重ねこそが、自分らしい人生を形づくり、成功や幸せへとつながっていくのだと思います。

全ては自分の選択。
そう気づけたとき、人は初めて自分の人生を“生きている”と実感できるのだと思います。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

目次