周囲からの評価と自己評価のギャップ

人は誰しも、自分のことを正しく理解しているつもりでいます。しかし、実際には「周囲からの評価」と「自分自身の評価」には必ずギャップが生じるものです。このギャップをどのように捉え、向き合うかが、成長の鍵を握ります。今回は、そのギャップをどのように受け止めるべきかについて考えてみたいと思います。
① 周囲の評価を正しく受け入れる
まず、大切なのは「周囲の評価を正しく受け入れる」ことです。人は自分にとって都合の良い評価には耳を傾けやすいですが、批判的な意見や自分のイメージと異なる評価には、つい反発してしまうことが多いものです。しかし、客観的な視点から見た自分を知ることは、成長する上で欠かせません。
例えば、私はこれまでラグビーの指導者として多くの選手やスタッフと関わってきました。自分では「選手の個性を尊重しながら育てる指導をしている」と思っていても、ある時、選手から「厳しすぎて萎縮してしまうことがある」と言われたことがありました。その時は驚きましたが、冷静に考えてみると、私の指導方法が意図せずそう受け取られていたのかもしれないと気づかされました。
このように、自分の意図と相手の受け取り方が異なることはよくあります。重要なのは、周囲の声を一度受け止め、感情的に反発するのではなく、「なぜそう思われたのか?」を考えることです。時には、自分が思っている以上に相手に強い印象を与えていることもありますし、逆に「もっと評価されている」と思っていたことが、それほど伝わっていないこともあります。
② 自己評価から自己認識へ
自己評価とは、あくまで「自分が思う自分」です。しかし、それが必ずしも正しいとは限りません。本当に大切なのは、周囲の評価と自分の評価を照らし合わせて「自己認識」を深めることです。
たとえば、私は長年、コーチとして活動しながら、「自分は選手やチームの成長よりも、自分自身の成長にフォーカスしているコーチなのではないか」と感じることがありました。コーチの役割は選手を育てることですが、私は自分自身がより良い指導者になることに強い関心を持っており、常に学び続けていました。しかし、ある時「あなたの指導のおかげで選手が大きく成長した」と言われたことがありました。
この時、私は初めて「自分自身の成長を優先しているつもりだったが、それが結果的に選手やチームの成長にもつながっていたのかもしれない」と気づきました。結局のところ、自分がどういうコーチであるかを決めるのは他者であり、自分自身の評価がそのまま事実とは限らないのです。
自己評価だけに頼ると、「自分はこういう人間だ」と思い込んでしまい、客観的な視点を失いやすくなります。しかし、周囲の意見を取り入れることで、より正しい自己認識を持つことができます。そして、その自己認識こそが、次の成長につながるのです。
③ ギャップは必ずある
最後に、どれだけ努力をしても、周囲の評価と自己評価のギャップはゼロにはなりません。むしろ、ギャップがあることを前提に考えたほうが良いでしょう。
このギャップを受け入れることで、過剰な自信や過度な自己否定に陥らず、適切なバランスを取ることができます。例えば、「自分はまだまだできていない」と思っている人が、周囲からは「すごく頑張っている」と評価されていることもあります。逆に「自分はすごくできている」と思っていても、周囲からは「もっと成長が必要」と見られていることもあります。
重要なのは、このギャップを知り、修正し続けることです。周囲の評価を参考にしつつ、自分自身の軸を持ち、成長し続けることができれば、そのギャップは「気づき」となり、自分をより良くするためのエネルギーになります。
まとめ
周囲の評価と自己評価のギャップは、誰にでもあるものです。それを正しく受け入れ、自己評価をより客観的な自己認識へと高めることで、人は成長できます。大切なのは、評価を怖がらず、ギャップを前向きに捉えることです。このギャップがあるからこそ、人はより高みを目指せるのではないでしょうか。
FEEL FREEもまた、お客様からの評価を大切にしながら、常に成長していける場でありたいと思います。皆さんもぜひ、自分と向き合い、より良い自己認識を持つきっかけを作ってみてください。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸