夢を語ることで他者を巻き込む力

皆さんは、自分の夢を人に語ったことがありますか?
私はこれまでの人生の中で、いくつもの夢を語ってきました。そして、そのたびに思うのです。夢は、一人で叶えるものではなく、誰かと一緒に叶えていくものだと。

たとえば、私が「ARUKAS KUMAGAYAという世界一の女子ラグビークラブに創りたい」と語ったとき、多くの人は驚いた表情を浮かべました。まだ日本でも女子ラグビーの認知が高くなかった時代です。けれど、私は真剣にその未来を信じていました。ただ信じているだけでなく、その夢を“言葉”にして、熱を込めて語り続けました。

「世界で戦える選手をこの熊谷から育てる」「地域・大学・行政が一体となった新しいスポーツのかたちを創る」「このクラブから世界一を本気で目指す」――そんな想いを、できるだけ具体的に、情景が浮かぶように話してきました。

語ることで、少しずつ支援者が増えていきました。選手、指導者、スポンサー様、地域の方々たち。語るたびに、「それ、ワクワクする」「一緒にやってみたい」と言ってくれる人が現れたのです。夢が他者を巻き込む瞬間とは、まさにこのように、聞いた人の心が動き、行動が生まれるときです。

夢は「リアルであること」「ワクワクすること」「共感できること」の3つが大事だと感じています。夢の語り手が楽しそうであればあるほど、聞いている人も心を動かされるのです。だからこそ私は、夢を語るときには「どうやったら聞いている人もワクワクできるか?」を常に意識しています。

もちろん、全員が最初から賛同してくれるわけではありません。でも、語り続けることで、その夢は“現実になる可能性”を帯びていきます。語らなければ誰の心も動きません。語れば、誰かの行動を引き出す力になります。そして、それが新たな出会いを生み、また次の展開へとつながっていくのです。

今、私は「FEEL FREE」という新しい夢を語り始めています。ここもまた、人と人とがつながり、自由に過ごし、豊かな時間を共有できる“場所”です。この夢にも、すでに多くの仲間が関わってくれています。夢を語ることの力を、改めて実感しています。

皆さんもぜひ、心の中にある夢を言葉にして、誰かに語ってみてください。その言葉が、思いがけない未来を引き寄せるきっかけになるかもしれません。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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