子どもの頃の夢を振り返る

私が子どもの頃、幼稚園時代の夢は「牧場の人」になることでした。動物が大好きだった私は、動物たちと一緒に生活することに憧れていました。

幼稚園の年長さんのとき、将来の夢をみんなの前で発表する機会がありました。そのとき、私は大きな声で「牧場の人です」と言いました。すると、その場にいた大人たちはみんな大きな声で笑いました。その笑い声を、今でも鮮明に覚えています。

笑われたことに対して、特に残念だとか嬉しいといった感情はありませんでしたが、「笑われた」という出来事自体が心に残っています。


現在、私は幼稚園生にラグビーのコーチをさせていただく機会をいただいています。その活動の中で、雑談として将来なりたいものややりたいことを子どもたちに尋ねることがあります。

すると、園児たちは自分の夢を目を輝かせながら、大きな声で話してくれます。不思議なことに、「なりたいものややりたいことがない」という園児には、これまで一度も出会ったことがありません。

しかし、これが大学生になると様子が変わります。「自分が本当にやりたいことがわからない」という声を耳にする機会が増えます。なぜ幼い頃にはあれほど夢中になれたものが、成長するにつれて見えなくなってしまうのでしょうか。


私は、メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手を思い浮かべます。彼は子どもの頃に描いた夢を、純粋なまま目指し続け、実現したのではないでしょうか。その純粋さを保ちながらゴールに向かう姿勢は、多くの人に勇気を届けてくれます。

そのためには、周囲の大人の存在がとても重要だと思います。子どもたちが語る夢を、たとえそれが少し突飛に聞こえたとしても、肯定的に受け止める。そして、その夢が育つ環境を整え、応援する姿勢が大切だと考えます。

子どもたちが夢を語り、信じ続けられる社会。それを一緒に創っていける大人でありたいと、私は思います。人間の可能性は無限大。特別な人が無限大であるわけでなく、誰もが特別な存在です。自分で自分を信じること。そして信じ続けること。続けることで少しづつ、自分でも気づいていない可能性が広がるのだと信じています。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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