家族との時間を大切にする大切さ

家族とは、人生において最も身近で、大切な存在です。そのあり方は実にさまざまで、決してひとつの形に収まるものではありません。毎日一緒に食卓を囲む家族がいれば、遠く離れて暮らしながらも、深く心が繋がっている家族もいる。週末ごとに集うことを大切にしている家族もいれば、言葉数は少なくとも互いを思いやる、静かで温かな絆を持つ家族もいる。そして、血のつながりにとらわれず、心で結ばれた“家族”という形もあります。

それぞれにとっての「家族のかたち」があり、どれもがこの世にたった一つだけの、かけがえのないものだと感じています。

私自身、これまでの人生をスポーツの現場に捧げてきました。選手やスタッフとともに全国、世界を飛び回り、遠征や合宿に明け暮れる日々。気づけば、家にいる時間のほうが圧倒的に少なく、月に数日しか戻れないこともありました。そんな生活の中、久しぶりに帰る自宅は、まさに「ほっとできる場所」でした。

玄関を開けたときにふわっと漂う、あの懐かしい匂い。家族の「おかえりなさい」という優しい声。テーブルに並ぶ、妻のあたたかな手料理。そのひとつひとつが、遠征の疲れを癒し、また頑張ろうという気持ちにさせてくれたのです。

家族とは、自分が自分らしくいられる場所。社会や仕事の中で多くの役割や責任を背負っている私たちにとって、何も飾らず、無理をせずにいられる“居場所”なのだと思います。

もちろん、家族には家族しかわからない悩みや葛藤もあります。誰もが心の中の深い部分には家族のことが「中心」に存在しているのではないかと考えています。

たとえば、長くすれ違っていた親子が、一緒に過ごす時間を持ったことで、少しずつ関係を取り戻していったという話があります。家族ならではの難しさもありますが、だからこそ向き合い、乗り越えられる力があるのだと思います。

私たちは、子どもの頃に何気なくかけられた言葉や、忘れられない出来事、怒られたことも褒められたこともすべてを通して、「今の自分」が形づくられていきます。そして大人になってもなお、家族の存在は心の支えであり続けてくれます。そのことを、歳を重ねるたびに、強く実感しています。

ただ、家族というのはあまりにも身近すぎて、その大切さをつい忘れてしまいがちです。「いつでも会える」「いてくれて当たり前」と感じてしまう。でもだからこそ、意識して「大切にすること」が大切なのだと思います。

感謝の言葉を伝えること。ともに過ごす時間をつくること。相手を理解しようとすること。そのひとつひとつが、家族という絆をより深く、より温かくしてくれると、私は信じています。

昨日、素敵なご家族との出会いがありました。お話を伺いながら、あらためて「家族」について考える時間となり、この気持ちを文章に残したいと思いました。

本当に心温まる時間を、ありがとうございました。そしてごちそうさまでした。

これからも私は、家族との時間を大切にしながら、FEEL FREEを訪れる皆さまにとっても、「心が還る場所」と感じていただけるような空間づくりを目指してまいります。

SPORTS BAR FEEL FREE オーナー
宮﨑 善幸

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