将来のキャリアの可能性が広がるような生き方

「自分のやりたいことが決まっている」――これはとても素晴らしいことです。目標に向かって一直線に進める人は、その道で大きな力を発揮できます。しかし一方で、「まだやりたいことが決まっていない」「やっている途中で変わってしまった」「複数のやりたいことがある」という人も多いでしょう。実は、そのどれもが決してマイナスではなく、むしろ人生を豊かにする大切なプロセスだと私は思います。
キャリアというのは、一度決めたことを最後まで突き通すだけが正解ではありません。もちろん、一つのことを極める生き方は立派です。しかし、そうでなければならないわけではないのです。特に20代の頃は、やりたいことが次々と湧いてくるのが自然です。夢や関心が複数あるならば、そのすべてを追いかけてもいいのではないでしょうか。むしろ一つに絞ってしまうと、その時点で他の可能性を捨ててしまうことになりかねません。
「全部を追いかけるなんて中途半端になるのでは?」と思う人もいるでしょう。けれど、私は中途半端を極めることにも価値があると考えています。複数の挑戦を通して得られる経験や学びは、後の人生で必ず大きな財産になります。たとえ完璧にやり遂げられなかったとしても、それぞれの挑戦が掛け算のようにつながり、自分だけの強みやキャリアを形づくっていくのです。
歳を重ねるにつれ、人は「やりたいこと」が「やるべきこと」へと変わっていきます。若い頃に好きで取り組んでいたことが、気づけば自分の役割や使命となり、人の役に立つ活動へとつながるのです。その時、過去に追いかけてきた複数の経験が一本の道に収束し、自分らしいキャリアを支える太い幹となります。
だからこそ、道が変わることも、やりたいことが複数あることも、人生においてはプラスでしかありません。変化や多様性を受け入れ、積極的に挑戦することが、将来の可能性を大きく広げてくれるのです。
キャリアは直線ではなく、むしろ曲がりくねった道の方が面白い。寄り道や回り道があったからこそ見えてくる景色があります。自分の心の声に耳を傾け、やりたいと思ったことに素直に挑戦する。その積み重ねこそが、将来のキャリアを豊かにし、自分だけのの人生をつくり上げていくのだと思います。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸