強みを発揮して勝負に勝つためのポイント

勝負に勝つための鍵は、本番で自分たちの強みを最大限に発揮できるかどうかです。
そのために重要になるのが「戦略」と「戦術」です。戦略とは「どうやって勝つのか?」という勝利への道筋であり、戦術は「どうやって戦うのか?」という具体的な方法です。まず大切なのは、ブレない戦略を持つことです。
「どうやって勝つのか?」という問いに対し、自分たちの強みをシンプルかつ明確な言葉で表し、チーム全員に浸透させる。これができているチームや選手こそ、勝負の準備が整っていると言えます。
ただし、勝負は必ず相手がいて成立します。相手もまた、自分たちの強みをぶつけてきます。だからこそ大切なのが、「勝負に謙虚に向き合う」姿勢です。試合で力を発揮できないケースの多くは、事前の情報や過去の成績から相手を格下と見なし油断してしまうか、または格上と判断して心のどこかで自分たちを信じ切れないことに原因があります。
確実に強みを発揮して勝ち切るチームや選手は、相手が誰であっても自分たちと向き合い、慢心せず、真摯に準備を重ねます。これは、私が女子ラグビーチームのヘッドコーチを務めていた時に強く学んだことです。ニュージーランド女子セブンズ代表の世界的名将が、私のチームを2週間指導してくれたことがあります。彼は「どんな試合も決勝戦と同じマインドで臨む」と語り、メンバー選考の基準として「一緒に戦争に行って戦える選手」と表現していました。
「戦争」という言葉は極端に聞こえるかもしれませんが、それは“どんな状況でも最後まで覚悟を持って戦えるか”という意味です。勝利を絶対に求められる環境で指揮を執る彼の姿勢から、私は勝負に対して極めて謙虚であり続けることの大切さを学びました。
また、「勝負で圧勝する」というと、大勝や楽勝を意味すると誤解されがちです。私の考える圧勝とは、ギリギリの勝負でも点差が大きく開いた試合でも、相手をリスペクトし続け、自分たちの強みを最後まで発揮し続けて勝つことです。
強みを発揮して勝つ――このポイントを理解して戦うからこそ、自分もチームも成長し続けられます。明確な戦略を持ち、謙虚な姿勢を忘れず、最後まで強みを出し切ること。それこそが、真の勝者の条件だと私は考えます。
SPORTS BAR FEEL FREE オーナー
宮﨑 善幸