怒りの原因を見つけて冷静になるステップ

私たちは日常の中で、喜怒哀楽という感情を経験しながら生きています。その中でも「怒り」は、最もコントロールが難しい感情の一つです。怒りに任せて行動した結果、取り返しのつかないことになったり、冷静さを失って大切な人を傷つけてしまったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。私自身もこれまでの人生の中で、怒りという感情と何度も向き合ってきました。

怒りは悪いものではありません。実は、「自分の中で大切にしている価値観が踏みにじられた時」に生じる自然な感情です。たとえば、「約束を守ること」を大切にしている人が、相手に何度もドタキャンされると怒りが湧き上がります。この場合、怒りの本質は「約束を守ってほしい」「自分を大切に扱ってほしい」という願いです。つまり、怒りの裏には「本当はこうしてほしい」という思いが隠れています。

ただし、人に期待しすぎることは危険です。なぜなら、他者をコントロールすることはできないからです。

では、怒りをコントロールするにはどうすればよいのでしょうか。
ポイントは、「怒りを感じた瞬間に行動しない」ことです。

一呼吸おくことで脳の興奮が落ち着き、冷静さを取り戻すことができます。私自身は特に、怒りを感じたときには“その場を離れる”ことを意識しています。場所を変え、深呼吸をし、少し時間を置く。たったそれだけでも、見えてくる景色が変わります。

次に、「自分はなぜ怒っているのか?」を冷静に分析してみましょう。
感情の奥には必ず原因があります。相手の言葉にカチンときたのか、自分が期待していた行動をしてもらえなかったのか、あるいは疲れやストレスが溜まっているだけなのか。怒りを感じた出来事を書き出してみると、意外な気づきが得られます。たとえば「自分が頑張っているのに認められなかった」という気持ちが根底にあると気づけば、次は「どうすればその気持ちを健全に伝えられるか」を考えることができます。

また、「怒りをため込まないこと」も大切です。怒りを我慢し続けると、ある日突然爆発してしまうことがあります。信頼できる人に話を聞いてもらう、ノートに気持ちを書く、軽く運動をして発散するなど、自分なりの解放方法を持っておくことが心の健康につながります。

私がコーチングの現場で選手たちと向き合う中でも、怒りのコントロールは非常に重要なテーマです。試合中、レフリーの判定に納得がいかないこともあります。しかし、その瞬間に感情を爆発させてしまうと、チーム全体の集中力が乱れます。感情を抑え、次のプレーに気持ちを切り替えることができる選手ほど、結果的に成長していくのです。怒りをコントロールできる人は、状況を客観的に見つめ、自分の行動を選択できる人でもあります。

人は誰しも感情の波を持っています。大切なのは、その波に飲まれるのではなく、自分でその波を乗りこなすこと。怒りを抑え込むのではなく、「自分は何を大切にしているから怒っているのか?」を理解し、その思いを健全に伝える力を育てることです。怒りの原因を見つけることで、相手を責めることなく、より良い関係を築くことができます。

怒りは、自分を知るためのサインでもあります。
そのサインを丁寧に受け取り、冷静さを取り戻すステップを踏むことができれば、人との関係性はより豊かで穏やかなものになるでしょう。
そして、自分自身もまた、より成熟した人間へと成長していけるのだと思います。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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