成功体験がもたらす自信と次への意欲

先日、オランダ、デンマーク、フィンランドにリュック一つを背負い、一人旅に出てきました。バックパッカーの旅は、私にとって26歳の時にニュージーランドを訪れて以来、実に25年ぶりの小さな挑戦でした。現在51歳。年齢を考えると「年甲斐もなく」と思うかもしれません。しかし、大学生に「小さな挑戦を繰り返すことが大切だ」と伝えている以上、自分自身が挑戦を続けなければ説得力はありません。そんな思いから、あえて「海外で日本の日常を過ごせるかどうか」、自分なりの挑戦をしてみたのです。

海外旅行というと、有名な観光地やレストランに足を運び、お金をかけて楽しむことが多いかもしれません。ですが、今回の旅では現地の人たちが日常的に訪れるスーパーで買い物をし、タクシーは一度も使わず、移動はすべて電車やバス、そして徒歩にしました。日本では当たり前にできる電車移動も、北欧では国によって乗り方や支払い方法が異なります。事前に調べたり、勇気を出して実際に乗ってみる必要がありました。無事に目的地へたどり着けると、「ちょっとした達成感」が成功体験と感じ、自信につながりました。

宿泊先もあえて8人部屋のドミトリーを選びました。日本でホテルに泊まれば清潔で快適ですが、ドミトリーは知らない人との同室、不安定な二段ベッド、生活リズムの違いといった非日常があります。それでも、その環境を楽しめる自分がいて、普段の生活では得られない新鮮な感覚を味わうことができました。

今回の旅で改めて感じたのは、日本でできることを海外でも自分の力で成り立たせていく過程にこそ、挑戦と成長があるということです。言葉や文化が違う場所で日常を築くこと。それが「できた」という感覚をもたらし、次の挑戦への意欲につながっていきます。51歳になっても挑戦は新鮮で楽しいものです。そして「また違う国に行ってみたい」という前向きな気持ちが湧き上がってきました。挑戦は年齢に関係なく人を活き活きとさせ、未来へのエネルギーを生み出します。

成功体験といっても、大きな成果を得る必要はありません。海外のバスに一人で乗れた、知らない人に道を聞けた――そんな小さな一歩で十分です。大切なのは、その一歩を踏み出す勇気。小さい勇気がちょっとした自信を生み、さらに新しい挑戦への意欲へとつながっていきます。私自身がそうであったように、学生たちにも小さな挑戦を積み重ね、成功体験を通じて未来を切り拓いてほしいと願っています。

SPORTS BAR FEEL FREE オーナー
宮﨑 善幸

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