挫折が教えてくれた自分の本質

「今までの挫折の経験を教えてください。」
学生からよくこのような質問を受けます。私はもともと超ポジティブな人間なので、「挫折」という言葉にネガティブな印象を持っていません。しかし、振り返ってみると、20代の頃に経験した出来事の中には、当時は挫折と感じたものがありました。そして、その経験を通じて、自分の本質に気づくことができたのです。
例えば、母校である国際武道大学のラグビー部を強くし、日本一にすることを目標に、期限付き助手として大学に残りました。しかし、その期限が2年間で終了し、延長がないと告げられたとき、大きな衝撃を受けました。4月から何をすればいいのか分からず、突然、自分の居場所を失ったような感覚に陥ったのです。
このとき初めて、自分の進むべき道を改めて見つめ直しました。夢だったはずの「母校のラグビー部を強くする」という目標が叶わない状況になったことで、本当に大切にしたいことや好きなこと、得意なことを深く考える機会になったのです。
その結果、「大学教員になりたいわけではなく、ラグビーの指導者としてプロコーチになりたい」という自分の本質に気づきました。同時に、「教えることは好きだ」ということも分かり、その後、専門学校や大学で講師を務めることになりました。
また、この経験を通じて、自分が「組織の中で働くこと」よりも「自分の理想を追求すること」に向いていると気づきました。大学のラグビー部を教員として強くすることはできなくなったものの、プロコーチとして母校を強くするという大きな目標に向けて自分の力を試してみたいという思いが芽生えたのです。
そこで私はプロコーチとしての道を歩むことを決意し、スポーツの世界で勝負することを始めました。ラグビーの指導を続けながら、さまざまな年代の選手と関わる中で、「勝つためには人としての成長を促す指導が重要だ」と強く感じるようになりました。
ラグビーは単なるスポーツではなく、人生そのものを映し出すものです。試合に勝つためには、日々の練習を積み重ね、仲間と信頼関係を築き、どんな状況でも諦めずに挑戦し続けることが求められます。それは、まさに人生の縮図とも言えるでしょう。
この考えは、現在の私の指導スタイルにも大きな影響を与えています。選手たちが試合に勝つことを目指すからこそ、ラグビーを通じて人として成長し、社会で活躍できるようになることをターゲットにしています。そのためには、指導者として「選手の可能性を引き出すこと」に全力を注ぐ必要があります。
そして、この考え方はFEEL FREEの運営にも通じています。私がFEEL FREEを立ち上げた理由の一つは、「自由に楽しめる場」を提供したいという思いがあったからです。スポーツバーという形をとりながらも、単なる飲食の場ではなく、人と人がつながり、新たな価値を生み出せる場所にしたいと考えています。
人生には予想もしなかった壁が立ちはだかることがあります。しかし、それをどう受け止め、どう乗り越えるかで、自分の未来は大きく変わります。私自身も、大学でのポジションを失ったときには大きな不安を感じましたが、その経験があったからこそ、新しい道を切り開くことができました。
挫折は終わりではなく、新たな始まりのきっかけです。大切なのは、どんな状況でも前を向き、自分の可能性を信じることです。これからも、自分の本質を大切にしながら、FEEL FREEという場所を通じて、多くの人に「自由に楽しめる場」を提供していきたいと思っています。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸