自分との関係性の中にある“自立型”と“依存型”

私が向き合ってきたラグビーという競技は、試合中に選手が自ら考え、判断し、行動していくスポーツです。コーチが外から指示を出せる時間は限られており、最終的に勝敗を左右するのは、選手自身の〈判断力〉と〈主体性〉です。そのため私がコーチングで最も大切にしてきたのは、技術や戦術以前に「自立した選手を育てること」でした。
プロコーチとして歩み始めた頃、私は自分自身のコーチングの軸を作るために、ビジネス界で著名な福島正伸さんが主催する「究極のコンサルタント養成講座」に参加しました。福島さんは、日本を代表するコンサルタントであり、“自立型人材の育成”をテーマに全国で講演・研修を行っている方です。「人は、誰かに変えてもらうのではなく、自らの意志で変わることができる」という揺るぎない信念を持ち、その言葉には温かさと力強さが宿っています。私はこの講座で、自立と依存という2つの生き方に初めて触れ、大きな衝撃を受けました。
講座の中では、人には「自立型」と「依存型」という2つの傾向があると説明されます。自立型の人は、問題を飛躍のチャンスと捉え、失敗を学びに変え、逆境にも強い。常に自分に原因を探し、理想に向かって主体的に行動します。自由や可能性を感じ、仲間を支えながら前に進む姿が特徴です。一方、依存型の人は、問題をすべてピンチと感じ、失敗を恐れ、逆境に弱い傾向があります。不満を探し、他人のせいにし、制限や競争を理由に動けなくなる。そして最終的には“安楽”に固執し、現状維持を選んでしまうのです。
この図を見たとき、私は「これは性格の違いではなく、自分との関係性の問題だ」と深く理解しました。自分を信じ、可能性を感じているとき、人は自然と自立型になります。しかし自信を失い、不安が大きくなると、人は誰でも依存型に傾きます。つまり、どちらが良い悪いではなく、“今、自分がどちらの状態にあるか”を知ることこそが大切なのです。
ラグビーの現場では、この違いが試合の中で如実に表れます。同じ局面で、ある選手は「どう突破するか」と考え、もう一人は「どうしよう、ミスしたら…」と不安で動けなくなる。自立型の選手は判断が早く、責任を自分で引き受け、挑戦する。依存型の選手は判断が遅れ、周囲の指示に頼ってしまう。では、この差はどこから生まれるのか。それは日常の“物事の捉え方”と“自分との関係性”にあります。
私はこの学びを通して、選手の成長は技術練習の前に「自立型のマインドセット」を育てることから始まると確信しました。
・問題を自分ごと化する
・失敗を受け入れる
・逆境を力に変える
・理念を持って行動する
・仲間を支援する
これらはすべて、自立型であることで自然に生まれます。
そしてこの考え方は、選手だけでなく、コーチである自分自身にも向けられます。苦しい時、壁にぶつかった時、「誰かのせいにしていないか」「自分の可能性を信じられているか」と、常に自分に問い直す。自立とは才能ではなく、日々の選択の積み重ねでつくられていくものです。
福島正伸さんの講座で学んだ“自立型と依存型”という視点は、今もなお私のコーチングの土台となっています。ラグビーでも、人生でも、自分との関係性を整えながら、自立型で生きていくこと。それが未来を切り拓く力になると、私は信じています。
SPORTS BRA FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸
