自分に優しくなるための日々のポジティブ習慣

私には、「他者に優しく、自分にはもっと優しく」というモットーがあります。

この言葉を聞くと、「自分に優しくするなんて甘えではないか」と感じる方もいるかもしれません。しかし、私にとって“自分に優しくする”というのは、甘やかすことではなく、自分自身の存在を丁寧に扱うことです。心と体の声に耳を傾け、自分を大切にする姿勢こそが、本当の意味での“優しさ”だと思っています。

他者に「ありがとう」と伝えることの大切さは、誰もがよく知っていることです。その一方で、自分自身に「ありがとう」と声をかける機会は、意外と少ないように感じます。「よくがんばってるね」「今日も一日ありがとう」──そんな言葉を、自分自身に向けてかけてあげることも、心を穏やかに保つためにはとても大切なことです。

他者に優しくできる人は、心に余裕のある人です。そしてその余裕は、自分自身に対して優しい視点を持っているからこそ生まれるのではないでしょうか。自分の心の声を無視せず、時には立ち止まって深呼吸をする。そうした小さな行動の積み重ねが、ポジティブな心の習慣につながっていくと感じています。

たとえば、朝起きたときに「今日はきっといい一日になる」と思ってみること。あるいは、夜寝る前に「今日も一日、お疲れさま」と自分に語りかけてみること。私自身、そんな習慣を大切にしていきたいと考えています。日々の中で意識的にポジティブな言葉を使うことで、少しずつ心の在り方も変わっていくと実感しています。

また、自分の気持ちを紙に書き出してみることも、自分を客観的に見つめるひとつの方法です。喜びも悩みも、そのまま言葉にしてみることで、自分の本音に気づくことができます。それを受け止めることで、無理に前向きになろうとしなくても、自然と心が落ち着く瞬間が訪れます。

私たちは日常の中で、知らず知らずのうちに自分に厳しくなりすぎてしまうことがあります。「もっと頑張らなきゃ」「まだ足りない」と、自分を追い込んでしまうこともあるでしょう。特に競争の世界で生きるアスリートやコーチたちは常に上昇思考があります。けれど、そんなときこそ「今のままでも十分だよ」と、自分の存在を認めてあげることも大切です。

自分を大切にできる人こそ、他者を本当の意味で大切にできる人です。だからこそ、日々の中で“自分に優しくなる習慣”を少しずつ取り入れていきたいと思っています。鏡に向かって微笑んでみる。自分の気持ちに正直になる。ひとりの時間を大切にする。そんな些細なことが、自分を癒し、明日への活力へとつながっていくのではないでしょうか。

今日という日も、自分に「ありがとう」と伝えながら、穏やかに過ごしていきたいと思います。

「自分を愛する」ということ──それこそが、他者に対する無償の愛のための、大前提なのだと思います。

SPORTS BAR FEEL FREE オーナー

宮﨑 善幸

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