自分の弱点とどう向き合うか

完璧な人間など存在しない――これは誰もが一度は耳にしたことのある言葉でしょう。しかし、それを本当に自分自身に当てはめて考えたことがある人はどれだけいるでしょうか。私自身、これまでの人生で数々の挑戦を経験し、成功や失敗を通じて自分の強みと弱みを深く理解することができました。そして今、50歳という人生の節目を迎え、改めて感じることがあります。それは、弱点と向き合う勇気が人を強くし、他者との関係を豊かにするということです。

強みを活かす

私はこれまで、スポーツの現場で数多くのチームや選手と関わってきました。その中で、強みを発揮することの重要性を何度も実感してきました。たとえば、選手それぞれが持つ特性や能力を最大限に活かすことが、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。これは、個人の人生においても同じです。

自分の強みを知り、それを伸ばす努力をすることは非常に大切です。しかし、そのためにはまず自己理解が欠かせません。自分は何が得意で、どんなときに最も輝けるのか。そうした問いに正直に向き合い、自分の得意分野を磨くことが、自分らしく生きるための第一歩です。

弱みを受け入れる

一方で、弱みをどう扱うかも同じくらい重要です。多くの人は、自分の弱点を隠そうとしたり、克服しようと努力したりします。もちろん、努力すること自体は素晴らしいことです。しかし、すべての弱点を克服するのは現実的ではありません。そして、弱点を隠そうとするあまり、自分らしさを失ってしまうことさえあります。

私自身、弱みを認めることに抵抗を感じていた時期がありました。しかし、人生の中で多くの出会いと経験を重ねる中で気づいたのは、弱みを隠すのではなく、それを認めることの大切さです。たとえば、私は細かい事務作業やお金の管理が得意ではありません。しかし、その弱点を認め、周囲の人々に頼ることで、むしろ自分の強みであるリーダーシップや企画力を発揮できるようになりました。

他者に頼る勇気

弱点を受け入れるということは、他者に頼る勇気を持つことでもあります。これは決して弱さの象徴ではなく、むしろ強さの表れです。他者に助けを求めることで、信頼関係が生まれ、新たな視点やアイデアを得ることができます。私はこれまで、チームのメンバーや仲間たちに多く助けられてきました。たとえば、FEEL FREEというスポーツバーを立ち上げる際にも、料理担当の母やアドバイザー、デザイナー、音楽コーディネーターといった多くの人々の力を借りて実現しました。私一人では到底成し得なかったことです。

他者に頼るという行為は、決して自分の責任を放棄することではありません。それは、自分の強みと弱みを正確に把握し、適切に役割を分担することです。その結果、より良い成果を生み出すことができるのです。

弱みを力に変える

弱点を克服することに固執せず、それを力に変える工夫も重要です。たとえば、私が過去に経験した高校ラグビーでの全国大会2回戦敗退という悔しい経験を通じて学んだ「競争の厳しさ」や「チームの大切さ」は、後の私の指導者としての道において欠かせない学びとなりました。

人生において、弱点や失敗は避けられないものです。しかし、それをどう受け止め、次にどう活かすかは自分次第です。そして、そのプロセスを通じて人は成長し、より豊かな人生を築くことができます。

まとめ

私たち一人ひとりには、強みも弱みもあります。完璧を目指す必要はありません。むしろ、自分の強みを磨き、弱みを他者と補い合うことで、人生はより豊かで充実したものになると私は信じています。弱点と向き合い、他者に助けを求める勇気を持つこと。それが、より良い未来を切り開く鍵なのです。

この考え方は、スポーツの現場だけでなく、日常生活や仕事、あらゆる場面で応用できる普遍的なものです。ぜひ、自分自身の強みと弱みを見つめ直し、それらを最大限に活かす生き方を選んでください。それが、あなた自身の可能性を広げる第一歩になるはずです。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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