自分の成長に必要なフィードバックの探し方

自分が成長していくために欠かせないものの一つが「フィードバック」です。フィードバックは自分の強みや改善点を客観的に気づかせてくれる貴重な機会であり、それをどう受け止め、どう活かすかで成長のスピードは大きく変わってきます。しかし、すべてのフィードバックが自分を成長させてくれるわけではありません。偏ったフィードバックは、自分が「できている」「このままで良い」と錯覚させる危険すらあります。例えば、あなたに遠慮して本音を言わない人や、あなたのファンとして良いところだけを褒めてくれる人からの言葉は心地よいですが、そこに成長の芽が隠れているかは別の話です。だからこそ、忖度なく本音を伝えてくれる存在や方法を探すことが、成長には不可欠なのです。

では、具体的に「成長に必要なフィードバック」をどう探していけば良いのでしょうか。ここでは3つの視点を紹介します。


① 自分が居心地の悪いフィードバックを選ぶ

人は誰しも、耳に心地よい言葉を求めがちです。しかし、本当に自分を成長させてくれるのは「耳の痛い」フィードバックです。例えば、ある選手が監督から「体力は十分だが、試合の流れを読む力が改善点だ」と言われたとします。本人にとっては厳しい指摘ですが、そこを改善できたときに一段階上のレベルに到達できます。ビジネスの場面でも同じです。プレゼンを終えたあと「分かりやすかった」と褒めてもらうのは嬉しいですが、「内容は良いけど、時間配分が悪く最後が駆け足になっていた」と言われる方が次につながります。心地よさではなく、むしろ居心地の悪さを感じる指摘を真摯に受け止められる場に自分を置くことが大切です。


② 厳しく、あたたかくフィードバックしてくれるメンターを探す


学生生活の中では、先生、ゼミの指導教員、部活動やサークルの先輩などがメンター的な存在になり得ます。成長には、自分を見守りながらも厳しく指摘してくれる人の存在が大きな意味を持ちます。例えば、ゼミの発表で教授から「スライドは工夫されているが、研究の目的が伝わりにくい」と指摘されることがあります。これは耳に痛い言葉ですが、その一言が研究の質を大きく変えるきっかけになるのです。部活動でも、先輩から「練習量は十分だけど、試合での判断が遅い」と言われることがあります。悔しい思いをしながらも、その指摘を真剣に受け止めて工夫すれば、競技力は大きく向上します。メンターは厳しいことを言いますが、それはあなたの可能性を信じているからこそ。だからこそ「厳しく、しかしあたたかく」フィードバックしてくれる人を見つけることが、自分の可能性を引き出す大きな鍵になります。


③ 自分自身で正しくフィードバックできる自分になる

他者からのフィードバックは貴重ですが、最終的には自分自身が自分に正直でなければ成長は難しいものです。例えば試合後に「今日は調子が悪かった」と一言で片づけるのではなく、「なぜパスミスが多かったのか」「どの時間帯に集中が切れたのか」と具体的に振り返ることが必要です。ビジネスにおいても「商談がまとまらなかった」という結果の表面だけを見るのではなく、「相手のニーズを深く聞けなかったのか」「提案の順番が悪かったのか」と分析することで、次の改善点が見えてきます。つまり、他者の指摘と自分自身の分析を照らし合わせながら「二重のフィードバック」を行うことで、成長の精度は飛躍的に高まります。


フィードバックは、ただ受け取るだけでは意味がありません。耳が痛くても正面から受け止める勇気、厳しくも支えてくれるメンターを探す努力、そして自分自身で客観的に振り返る力。この3つを意識して取り入れていくことで、フィードバックは単なる「指摘」ではなく、自分を大きく成長させてくれる「財産」に変わっていきます。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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