自分の理念の定め方・見つけ方

私がこれまでの人生で大切にしてきたことの一つに、「理念を持つこと」があります。理念とは、自分の信念や価値観を言葉にしたものです。迷ったとき、判断に悩むときに、その理念が道しるべとなり、自分が進むべき方向を示してくれます。
しかし、理念は簡単に見つかるものではありません。私自身も、すぐに自分の理念を確立できたわけではなく、これまでの経験や挑戦を通じて少しずつ形になっていきました。今回は、私自身のエピソードを交えながら、理念の定め方や見つけ方についてお話ししたいと思います。
1.自分の原点を振り返る
理念を見つけるためには、まず自分の過去を振り返ることが大切です。私の場合、その原点は高校時代のラグビーにあります。私は高校3年生のとき、キャプテンとして全国大会に出場しました。しかし、2回戦で引き分け、抽選の結果敗退するという悔しい経験をしました。そのとき、「努力だけではどうにもならないことがある」と痛感しましたが、それと同時に「だからこそ、やれることを全力でやるしかない」と強く思いました。
その後、大学でもラグビーを続け、最初はのんびりとした姿勢で取り組んでいましたが、最終的にはキャプテンとしてチームを率い、無敗で3部リーグ優勝を果たしました。この経験を通じて、「信じて努力し続ければ道は開ける」という信念を持つようになりました。
2.経験を積み重ねながら理念を磨く
理念は、一度決めたら終わりではなく、経験を通じて磨かれていくものです。私がコーチとしての道を歩み始めたとき、最初は「勝利こそがすべて」と考えていました。しかし、実際に指導を続ける中で、勝利するためには、選手一人ひとりの成長や挑戦する姿勢こそが最も重要であると気づきました。
特に、女子ラグビー日本代表チームのコーチのときは、「勝つために走るラグビー」を掲げ、選手たちとともに過酷なトレーニングを乗り越えました。その結果、アジア王者となり、オリンピック出場を果たしました。この経験を通じて、「人は成長できる、限界は自分で決めるものではない」という理念をより強く持つようになりました。
3.自分の価値観を言語化する
理念を明確にするためには、自分の価値観を言葉にすることが重要です。私の場合、「スポーツの感動を通じて、挑戦する勇気を持つ」という考えが根本にあります。これは、選手時代やコーチ時代の経験を通じて得た気づきから生まれたものです。
現在、私はスポーツバー「FEEL FREE」を運営しています。このお店を開いた理由も、「スポーツの魅力を共有し、人と人がつながる場を創りたい」という理念に基づいています。スポーツの試合を観ながら、仲間と語り合い、共に喜びを分かちう、そんな時間が、人の心を豊かにすると信じているからです。
4.理念を実践し、検証する
理念は、ただ掲げるだけでは意味がありません。実際に行動し、その理念が本当に自分に合っているのかを確かめることが大切です。
私も、ラグビーの指導者からスポーツコーチングの教育者、そしてバーの経営者へと道を広げる中で、「本当に自分の理念はこれでいいのか?」と何度も問い直してきました。しかし、どの道を歩んでいても、「人を成長に関わること」「成長の場を創ること」という理念は一貫して変わりませんでした。
このように、自分の理念を実践しながら検証することで、その理念が本物かどうかがわかります。そして、必要に応じて少しずつ修正していくことも大切です。
5.理念は人生とともに進化する
最後に、理念は固定されたものではなく、人生の経験とともに進化するものだと考えています。私も若い頃に持っていた考え方と、今の理念は少しずつ変化しています。しかし、それは決してぶれることではなく、より深く洗練されていく過程なのだと思います。
大切なのは、「自分が何を大切にして生きていきたいのか」を常に考え続けることです。そうすることで、理念は自分の中に根付き、人生の指針となってくれるはずです。
皆さんも、ぜひ自分自身の原点を振り返り、大切にしたい価値観を言葉にしてみてください。そして、その理念を実践しながら、自分だけの道を切り開いていきましょう。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸