自分を表現する「場」を持つ意味


自分自身を表現できる「場」を持つことの意味について、改めて考えてみたいと思います。
人はそれぞれ、自分を表現するためのステージを持っています。
スポーツ、音楽、絵画、ダンス、演劇、文章、料理、ビジネス――表現の形は人の数だけあります。
それらは単なる活動ではなく、「自分という存在を知るための鏡」だと私は感じています。

私の場合、それがスポーツ、特にラグビーでした。
ラグビーという場で、喜びや悔しさ、恐れや勇気、仲間との一体感など、あらゆる感情を経験しました。
それらの体験を通して私は「自分とは何者なのか」「どんな時に心が震えるのか」を知っていったのです。


ハイパフォーマンススポーツの世界では、勝つか負けるかという結果が常に求められます。
対戦相手との勝負はもちろん、チーム内のレギュラー争いも避けては通れません。
その中で最も大切なことは、「自分を表現すること」。
どんなに能力があっても、それを表に出せなければ誰にも伝わらない。
言い換えれば、「自分を出さずにレギュラーになれた」としたら、その環境は本当の意味での成長にはつながらないのです。


私がこれまで見てきた選手たちにも、いろいろなタイプがいます。
・レギュラーになれない理由を監督や環境のせいにしてしまう選手
・十分な実力があるのに、自分を表現しきれない選手
・本気で挑んでいるのに、結果がまだ追いつかない選手
・レギュラーになったことで満足し、挑戦をやめてしまう選手
・チームのために裏方に回り、自分を別の形で表現する選手
・常に自分を疑い、完璧を求めすぎて苦しむ選手
・自分らしさを忘れ、他人のように振る舞ってしまう選手
・誰かのためにプレーすることで、自分を輝かせる選手
・うまくいかない時こそ笑顔でチームを明るくする選手
・小さな進歩に喜びを見出し、日々の積み重ねを大切にする選手

それぞれの「表現のかたち」があります。
大切なのは、その場でどれだけ自分を出し切れているかということ。
代表チームのセレクションの場でも、自分の力を出し切れずに終わってしまう選手を何度も見てきました。
実力ではなく「心の壁」によって自分を表現できない――その壁を超えられるかどうかが、本当の勝負なのです。


自分を表現する「場」は、結果を出すためだけの場所ではありません。
それは、自分の可能性を知り、弱さと向き合い、成長するための大切な舞台です。
「うまくいかなかった」「結果が出なかった」――その経験さえも、自己表現の一部。
出し切った先にこそ、次の道が見えてくるのだと思います。

だからこそ私は、これからも自分を表現できる「場」を大切にしていきたい。
そして、関わる人たちにも「自分を表現する勇気」を持ってほしいと願っています。
それが人生を豊かにし、人としての成長につながる最も確かな道だと信じています。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

目次