誰からも尊敬される人は誰をも尊敬する人

人間は誰もが平等です。

どれだけ有名な人でも、どれだけ経験を積んでいても、生まれた瞬間はみな裸で、何も持たずにこの世にやってきました。そして命ある限り、誰もが喜びや悲しみを経験し、葛藤や挑戦を繰り返しながら生きています。だからこそ、「人間としての価値」は、立場や年齢、肩書きでは決まりません。

しかし、現実社会ではどうしても上下関係というものが存在します。先生、生徒。上司、部下。コーチ、選手。先輩、後輩。年齢や役職、役割が上下を決め、そこに無意識の壁が生まれることがあります。

私は、「人を尊敬すること」は人として成長するために欠かせないことだと考えています。それは単なる礼儀やマナーの問題ではなく、相手の存在を認める心が自身を豊かにすると信じているからです。

では、逆に考えてみましょう。

どうすれば人から尊敬される人になれるのでしょうか?

それはたった一つ。「人を尊敬すること」です。

しかも、それは“目上の人”だけを敬うという意味ではありません。“誰に対しても”です。

年齢、立場、肩書きに関係なく、目の前にいる人を一人の人間としてリスペクトすること。たとえ自分より若くても、経験が浅くても、敬意を持って接すること。それができる人が、結果として周囲から自然と尊敬される人になります。

たとえば、不慣れなアルバイトの方に対して横柄な態度をとる先輩社員を、見ていて気持ちの良いものではありません。一方、職場の掃除をしていただいている方にも丁寧に「いつもありがとうございます」と声をかけられる方には、人としての器を感じます。肩書きや力関係で態度を変える人は、信頼されません。

「この人には頭が上がらない」と思わせる人ほど、実は誰よりも謙虚で、誰よりも相手を大切にしています。そして、そういう人は、自分の言葉や行動で人を変えようとはせず、まず自分の背中で示します。

尊敬は、強制できません。
でも、自分から相手を尊敬することは、いつでもどこでも自分の意思で選べます。

私はこれまで、スポーツの現場でも、ビジネスの場面でも、「人間力の高い人」に共通していることが一つあると感じてきました。それが、「誰に対しても礼を尽くす姿勢」です。

特別なことではありません。
相手の話を最後まで聴く。目を見て挨拶する。感謝の気持ちを言葉にする。失敗しても責めず、共に成長しようとする。そういう積み重ねが、尊敬を生み出します。

尊敬される人は、実は誰よりも先に、他者を尊敬しています。

だからこそ、人を見下すような人には、誰も心からの尊敬は向けません。外見や肩書きで得た“表面的な敬意”は、いつか剥がれ落ちます。しかし、心から相手に向けたリスペクトは、巡り巡って自分自身の魅力や信頼へと返ってきます。

もし、自分が他者から尊敬されていない、バカにされていると感じることがあったら、それは自分自身の姿勢が相手に鏡となって写っているだけです。

私は生きている限り、「どんな人にも敬意を持つ姿勢」を忘れずにいたいと思っています。

そして、そんな素敵な方たちが自然に集まる場所が、「FEEL FREE」であるように自分を磨いていきます。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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