関係性の質を高めるための承認の力

先日、スポーツコーチングゼミナールのリーダー陣と食事をし、その後カラオケに行く機会がありました。
このリーダー陣は、私から見ても人間力が非常に高く、将来きっとリーダーとして多くの人を導き、自分の人生を幸せに歩んでいける素晴らしい人材です。
その時間の中で、私は改めて「承認の力」の大きさを感じました。
彼らと話していると、「いいですね!」「それ嬉しいです」「それが先輩の良いところですよね」といった言葉が自然に出てきます。感じたことをすぐに言葉にし、相手の存在や考え方を受け止める姿勢が身についているのです。
コーチングの世界で「承認する」とは、相手の存在を認めることを意味します。
それは、成果を褒めることとは少し違います。承認とは、「あなたがここにいること」「あなたらしく行動していること」「その挑戦をしていること」など、その人の存在や努力そのものを認める行為です。人は誰かに存在を認められたとき、安心感を得て、自分の中に眠っていた力を発揮できるようになります。
カラオケの場面でも、その「承認の力」を目の当たりにしました。
誰かが歌い終わるたびに、リーダーたちは「うまい!」「最高!」「その歌い方、先輩らしいですね!」と次々に声をかけていました。最初は緊張して得点が低かった学生も、仲間からの温かい言葉を受けるうちに表情が柔らかくなり、声にも力が宿っていきました。
そんな中、あるリーダーがその学生に優しくこう声をかけました。
「得点なんて関係ないですよ。自分が気持ちよく歌えたらそれが最高です!」
その言葉に、学生はふっと笑顔を見せ、次の曲では本当に楽しそうに、のびのびと歌っていました。結果よりも「自分の気持ち」を大切にしてもらえたことで、自然と力が引き出されたのだと思います。
この小さな出来事を通じて、私は改めて「承認は人の力を引き出す原動力」だと感じました。
承認は、特別な場面でなくても日常の中で実践できます。
「ありがとう」「助かった」「さすが」「一緒にいると安心する」——そんな一言でも、人の心に温かい光を灯すことができます。大切なのは、相手をちゃんと見て、受け止める姿勢です。
人は、自分を見てくれている人がいるとわかった瞬間に、安心し、前向きになれます。
その積み重ねが、チームや職場、家族の関係性の質を高めていくのです。
リーダーたちと過ごした時間の中で、私は“承認する”ことの本質を再確認しました。
承認とは、人と人との間に「信頼」と「尊敬」を育てるための土壌です。
その力を意識して使うことで、どんな組織も、どんな人間関係も、より温かく豊かなつながりへと育っていく。そう確信できた一日でした。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸
