4-7-4 評価を手放す時間が、自分を育てる

私たちは日々、多くの「評価」の中で生きています。学校や職場、スポーツの現場では、結果や成果だけでなく、周囲からどう見られているかを気にする場面が少なくありません。他者からの評価は、自分では気づけない一面を教えてくれる大切な情報であり、成長のためには欠かせないものです。

しかし、その評価に振り回されてしまうと、本来の自分らしさを見失ってしまいます。「どう思われるか」を気にするあまり、「自分はどう在りたいのか」という軸が曖昧になり、自分らしい挑戦や行動ができなくなってしまうのです。

だからこそ、人生には**「評価されない時間」**が必要です。

評価を忘れ、自分自身と静かに向き合う時間。誰かと比較することなく、自分の感情や考えを整理する時間。その時間があるからこそ、人は他者の評価に左右されない、自分自身の軸を育てることができます。

ここで大切なのは、「評価を無視すること」ではありません。むしろ、評価を正しく受け止めるためには、一度そこから距離を置く時間が必要なのです。

他者の評価は、その人が見た一つの側面に過ぎません。ある人には「行動力がある」と映る人が、別の人には「落ち着きがない」と見えることもあります。また、「慎重な人」が「優柔不断」と評価されることもあります。どちらも間違いではありませんが、どちらもその人のすべてではありません。

つまり、評価とは「主観的な事実」であり、絶対的な真実ではないのです。

一方で、自分自身の評価も決して完全ではありません。私たちは、自分を客観的に見ることが思っている以上に苦手です。そのため、多くの人は「自己評価」と「他者評価」の間にギャップを抱えています。

このギャップこそが、成長の入り口です。

大切なのは、「自分はこういう人間だ」と決めつけることではなく、「周囲からはどう見えているのだろう」「なぜそのように受け取られたのだろう」と問い続ける姿勢です。

そのために大きな力を発揮するのがメンタリングです。

メンタリングとは、評価を与える場ではありません。正解を教えてもらう場でもありません。安心・安全な環境の中で、自分の考えや感情を言葉にし、それを受け止めてもらいながら、自分自身を深く理解していく時間です。

メンターは答えを与えるのではなく、問いを通して本人の気づきを引き出します。

「あなたは本当は何を大切にしたいのですか。」
「その出来事を、あなたはどう感じましたか。」
「あなたの強みは、どんな場面で発揮されますか。」

こうした問いを通して、自分では気づかなかった価値観や強み、思考の癖が少しずつ見えてきます。

私自身も、これまで多くの選手や指導者との対話を通して、自分では「成長したい」という思いばかりに目を向けているつもりでした。しかし、周囲から「あなたが学び続ける姿勢が、周りの成長につながっている」と言われたことで、自分では見えていなかった価値に気づかされました。

このように、自分だけでは気づけないことを、対話によって発見できるのがメンタリングの大きな価値です。

そして、そのためには評価される時間だけでなく、評価から少し離れ、自分と向き合う時間が欠かせません。

他者の評価を受け止め、自分自身の感覚とも照らし合わせながら、「自己評価」を「自己認識」へと深めていく。その積み重ねによって、人は自分の軸を持ち、周囲の評価に一喜一憂しない強さを育てることができます。

評価は、自分を決めるものではありません。

評価は、自分を知るための一つの材料に過ぎないのです。

だからこそ、評価を恐れる必要も、評価に依存する必要もありません。評価を受け止めながらも、自分自身と対話し、自分の価値観を確かめる時間を持つこと。その繰り返しが、本当の意味での自己理解につながります。

人は、他者との比較ではなく、自分との対話によって成長します。

評価される時間と、評価を手放す時間。その両方を大切にしながら、自分らしい人生を歩んでいきたいものです。

SPORTS BAR FEEL FEEEオーナー

宮﨑 善幸

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