4-9-2 耐える力と回復する力

私たちは日々、仕事や人間関係、挑戦や失敗といったさまざまなストレスの中で生きています。ストレスのない人生はほとんど存在しません。その中で重要なのは、「ストレスに耐える力」と「ストレスを受けながらもしなやかに生きる力」を混同しないことです。一見似ているこの二つは、本質的に異なります。
後者は英語でレジリエンス(resilience)と呼ばれます。レジリエンスとは、困難や逆境に直面したとき、心が折れるのではなく、揺れながらも回復し、前に進んでいく力のことです。我慢や根性ではなく、「戻ってこられる力」と言い換えることができます。レジリエンスの高い人は、失敗を自分の価値の否定とは捉えず、一時的な出来事として受け止めます。そしてそこから学びを見出し、必要であれば人に頼ることもできます。
一方で、ストレス耐性は「どれだけ耐えられるか」に重きが置かれます。もちろん耐える力は必要ですが、それだけに頼ると心は次第に硬くなり、ある日突然折れてしまう危険があります。だからこそ、しなやかさを持つことが重要なのです。「七転び八起き」という言葉が示すように、転びながらも起き上がる柔軟さこそが、本当の強さだといえるでしょう。
では、失敗しても折れない人はどのように自分と向き合っているのでしょうか。共通するポイントは三つあります。
一つ目は「プラスに受け取る力」です。同じ出来事でも、「もうダメだ」と捉えるか、「学びになった」と捉えるかで、その後の行動は大きく変わります。すべての経験を成長の材料として受け取れる人は、挑戦を続けることができます。
二つ目は「挑戦そのものに価値を見出す力」です。結果だけにとらわれず、挑戦すること自体に意味を感じられる人は、失敗を恐れません。挑戦は自分を知るための機会であり、次の一歩につながる大切な経験です。
三つ目は「自分なりの回復方法を知っていること」です。どんな人でも心が揺れる瞬間はあります。そのときに、誰かと話す、休む、好きなことをするなど、自分を整える方法を持っている人は、再び前を向くことができます。
さらに大切なのは、「すべての責任を自分だけで背負わないこと」です。主体的に生きるうえで責任感は重要ですが、何でも自分のせいにしてしまうと、自分を追い詰めてしまいます。物事には「自分の責任」「相手の責任」「環境の影響」が存在します。そのバランスを理解することが、健全な自己認識につながります。
そして、忘れてはならないのが「逃げる」という選択です。逃げることは負けではなく、自分を守るための行動です。壊れるまで耐えるよりも、一度離れることで人生は続いていきます。視野が狭くなったときこそ、一歩引く勇気が必要です。
自分を守れる人だけが、長く前に進むことができます。責任感の強さは長所ですが、それが自分を傷つけるものであってはいけません。「自分を責めない力」は甘えではなく、人生を豊かに生きるための大切なスキルです。しなやかに揺れながらも、何度でも戻ってくる。その力を大切にしていきたいものです。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸
