チームの目標を共有し、導く方法

高校3年生の時、私はラグビー部のキャプテンを務めました。当時、キャプテンとして何をすればいいのか漠然としていた私に、恩師が一つの指針を与えてくれました。
「キャプテンの任務はたった一つ。どんなことがあってもチームの目標を忘れないことだ。」
その言葉は非常にシンプルでありながら、私の心に深く刻まれました。私はその教えを忠実に守ることを決意しました。つまり、どんな困難や試練に直面しても、常に「全国大会出場」というチームの目標を心に抱き続け、チームメイトを鼓舞し続けることです。
全国大会予選では厳しい戦いが続きました。何度も不安や焦りに襲われることもありましたが、そのたびに恩師の言葉を思い出しました。「目標を忘れないこと」──ただそれだけを信じ、チームを引っ張りました。結果として、私たちは厳しい予選を勝ち抜き、念願の全国大会出場を果たすことができました。
高校時代の成功体験は、私のキャプテンとしての基礎を築きました。その後、大学4年生になったとき、再びキャプテンの任を担うことになりました。私は高校時代の経験を活かし、今度は「3部優勝と2部昇格」という目標を掲げました。これもまた簡単な道のりではありませんでした。しかし、高校時代と異なった点が一つありました。
それは、目標を共有するという意識です。
高校時代は、自分一人で目標を信じ抜くことを徹底していました。しかし、大学では同期の12名に、「目標達成を信じることを絶対に忘れない」ということを、伝えました。ただ私が目標を抱くだけでなく、同期の4年生全員でその目標を共有し、信じ続けることが重要だと考えたのです。
チームメイトにはそれぞれ異なる個性があり、時にモチベーションが低下することもありました。しかし、私は絶えず「信じていれば達成できる」と胸に抱いていました。そして、目標に向かうための行動を毎日確認し、言葉だけではなく具体的な取り組みを示しました。
目標の共有は、ただ言葉で伝えるだけではなく、日々の行動や態度に表すことが重要です。練習のたびに声をかけ、励まし合い、勝つために何が必要かを話し合う。その積み重ねが、やがて全員の心に「自分たちならできる」という確信を育みました。
その結果、私たちはシーズンを無敗で駆け抜け、3部優勝を果たし、念願の2部昇格を実現することができました。
この経験から私が学んだことは、リーダーが目標を共有し、チームを導くためには、以下の3つが重要だということです。
- 明確な目標設定
チーム全員が同じゴールを見据えるために、具体的で達成可能な目標を設定すること。 - 目標の共有と信念の持続
目標を単なるスローガンに終わらせず、日々の練習や試合でそれを意識し続けること。また、チーム全員がその目標を信じるための環境作りを行うこと。 - 行動による示範
リーダー自身が率先して行動し、目標達成のために努力を惜しまない姿勢を示すことで、チームメイトに影響を与えること。
高校時代の恩師の教えを土台に、大学時代の成功体験を通じて私は「チームの目標を共有し、導く方法」を学びました。この教えは、その後の私の人生やコーチングにも大きな影響を与えています。どんな環境であれ、目標を共有し、全員で信じ続けることの大切さを、これからも伝え続けていきたいと思います。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮崎 善幸