失敗を学びに変えるコーチングマインドセット

昨晩から、女性ハイパフォーマンスコーチアカデミーがスタートしました。今回チャレンジしてくれたのは4名の女性コーチたち。それぞれが自分自身と向き合いながら、様々なプログラムに取り組んでくれています。
このアカデミーでは、コーチングスキルの学びはもちろんのこと、それ以上に「どのようにコーチとして成長していくか」「どんな視点で選手と関わるべきか」といった、マインドセットの部分に大きな重きを置いています。なかでも最も素晴らしいと感じているのが、彼女たちの「振り返り」に対する姿勢です。
プログラム終了後の振り返りでは、「もっとこう伝えればよかった」「こんな準備が必要だった」といった振り返りが自然と飛び交いました。成功体験だけではなく、小さな失敗や違和感すらも学びの材料に変える姿勢は、本当に頼もしく、感動すら覚えました。
さて、「コーチングの成功とは何か?」という問いは、非常に奥が深く、簡単には答えが出せません。例えば、育成年代のチームを率いて大会で勝利を重ねたとします。その時点では「成功した」と言えるかもしれません。しかし、もしその勝利の裏に、選手たちの主体性や楽しさを犠牲にしていたとしたら、それは本当の意味での成功とは言えないかもしれません。
私たちが目指すべきコーチングとは、「今の勝利」だけでなく、「未来の成長」につながる関わりです。勝負にこだわる姿勢はもちろん大切ですが、それが全てではありません。とくに育成年代においては、結果以上に「選手が何を学んだか」「どんな人間的成長を遂げたか」にこそ、コーチの真価が問われるのではないでしょうか。
私自身、過去に多くの失敗を経験してきました。勝利にこだわるあまり、選手の気持ちを置き去りにしてしまったこと。自分の指導がうまくいかず、選手が思うように成長できなかったこと。それらの経験を通して学んだのは、「失敗から目を逸らさず、学びに変えること」が、コーチとして成長する唯一の道だということです。
女性ハイパフォーマンスコーチアカデミーの皆さんにも、たくさんの壁や悩みに直面する瞬間があると思います。でも、それこそが学びのチャンスです。失敗を恐れず、自分を振り返り、次につなげていく。そんなマインドセットを持ったコーチが、これからのスポーツ界をリードしていくのだと信じています。
これからも、挑戦を続ける皆さんと一緒に、学び合い、成長し続けられる場をつくっていきたいと思います。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸