自分の限界を知ることの重要性

私は、「自分の限界を知ること」は人として成長するためにとても大切なことだと考えています。特にスポーツの現場においては、自らの限界を把握して挑戦していくことで、真の意味での成長があると感じています。
近年、スポーツ界ではハラスメントの問題が取り上げられるようになり、コーチが選手に対して気を使いすぎて、十分な指導ができていないという声も聞こえてきます。指導の在り方が問われる今の時代、私自身も改めて「限界とは何か?」という問いと向き合っています。
私の高校時代を振り返ってみると、当時は非常に過酷な練習をしていました。しかし、それは自ら望んでやっていたというよりは、厳しいコーチの指導によって追い込まれてきたというのが正直なところです。良いか悪いかは一概には言えませんが、私はそのコーチを今でも尊敬していますし、指導をハラスメントだと感じたことは一度もありませんでした。むしろ、自分の限界を超える体験を通して、多くのことを学びました。
今の時代は、昔のように誰かに厳しく鍛えられるのではなく、自分自身で自分を鍛えていく力が求められている社会だと思います。だからこそ、自分自身で「どこまでが限界なのか」を知っておくことが、これからの人生を豊かにするために必要だと感じています。
ただし、ここで一つだけ強く伝えたいことがあります。それは、「限界に挑戦する」といっても、無理をして身体や心を壊してしまっては元も子もないということです。限界には大きく分けて二つあります。それは「心理的限界」と「生理的限界」です。
心理的限界とは、「もう無理だ」と自分が感じる心の限界です。一方、生理的限界は、身体として本当に動けなくなる、本当にこれ以上は続けられないという限界です。アスリートは、この生理的限界に少しでも近づくために、日々自らを鍛えてトレーニングを積んでいきます。
自分の限界に挑むという経験には、賛否両論があるかもしれません。しかし、私は、自分の無限の可能性を信じて、今の自分の限界に挑戦していくことで、人はその可能性に近づいていくのだと思っています。
誰かに限界を決められるのではなく、自分自身で限界を見極め、時にはそれを超えていこうとする。その過程の中にこそ、本当の成長や感動があるのではないでしょうか。
私たちの人生においても、仕事や人間関係、挑戦の場面で「限界」を感じることは多々あります。そんなときこそ、「今の自分はどこまでできるのか?」「どこが本当の限界なのか?」を見つめ直し、一歩踏み出す勇気を持つことが大切だと思います。
これからも、自分自身の限界に挑戦しながら、皆さんと一緒に成長していけたらと願っています。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸