20代からはじめたい投資 ― 自己投資 ― とは

投資と聞くと、多くの方は「お金を株式や不動産などに使って、将来的に利益を得ること」をイメージするかもしれません。確かにその通りですが、「投資」という言葉の本来の意味は「将来的な利益や成果を期待して、時間やお金、労力をつぎ込むこと」です。つまり、必ずしもお金を対象にしたものだけが投資ではないのです。

世界的な投資家ウォーレン・バフェット氏は、「最も重要な投資は自己投資である」と語っています。彼は若い頃、自身の弱点だった人前での話し方を克服するため、わざわざスピーチの講座に通い、トレーニングを重ねたそうです。それも、すべて自分の能力を高め、将来の可能性を広げるための投資でした。

私自身、お金を増やすためのいわゆる金融投資はほとんどしてきませんでした。しかし、20代のころから続けてきた「自己投資」が、今の自分をつくってくれたと確信しています。自分の時間とお金を「成長のために使う」。これが私の投資スタイルでした。

たとえば、次のようなことに投資してきました。

  1. 会いたいと思う人には必ず会いに行く。そして、そこで多くを学ぶ。
  2. 興味のある資格にはチャレンジし、知識を深める。
  3. 心から挑戦したいと思ったことには、迷わず時間を使う。
  4. 未来ある後輩たちと食事を共にし、世代を超えて語り合う。
  5. 静かにひとりで考える時間を意識的に創る。
  6. 大切な人のために、心から時間を使う。
  7. 自分に似合うもの、自分を高めてくれるものを選んで身につける。

こうした自己投資の積み重ねは、目には見えづらいものですが、確実に人生に豊かさをもたらしてくれます。自分を高めるために使った時間や経験は、必ず未来の自分に返ってきます。そしてそれは、人生における選択肢を増やし、チャンスをつかむ力にもなります。

自己投資が大切なのは、それが「自分という資本」を育ててくれるからです。お金は失っても取り戻せることがありますが、時間は二度と戻りません。だからこそ、20代という柔軟で吸収力の高い時期にこそ、自分の未来に向けてしっかりと投資をすることが大切だと感じます。

この考えは、私が立ち上げた「FEEL FREE」というバーにも活かされています。FEEL FREEは、ただスポーツを観戦する場所ではなく、人と人とが繋がり、自分らしくいられる特別な空間を提供する場です。お客様が過ごす時間そのものが「自分へのご褒美」や「心のリセット」になればという想いで、一日一組限定というスタイルをとっています。

また、ここでは、料理・音楽・空間すべてにこだわっています。私のこだわりは特別なものではなく、「日常こそが特別」であるという信念がこだわりです。それぞれの分野で情熱をもって活動してきた仲間たちが、経験を積んできた“自己投資の成果”をこの場所で表現しています。私にとってFEEL FREEは、まさに「自己投資の結晶」といえる場所です。

20代の皆さんには、ぜひ「お金を稼ぐための投資」だけでなく、「自分を育てるための投資」にも目を向けてみるのもいいかと感じています。未来の自分を信じて、小さな一歩を積み重ねることで、いつか自分という大きな財産になると信じています。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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