学び続けることで好機をつかむ探求者

スポーツ選手は、常に選考の場に立たされます。日々の練習の成果が評価され、試合に出場できるかどうかが決まる世界では、選手たちは自分の存在価値を問われ続けていると言っても過言ではありません。
当然ながら、選手たちは試合に出るために、日々努力を重ねています。その努力の先に試合があり、仲間とともに戦う喜びがあります。しかし、どれだけ努力をしても試合に出られないこともあります。その現実に直面したとき、多くの選手が心に大きな葛藤を抱えます。
試合に出られない理由を、自分ではなくコーチや環境のせいにしてしまうことは、誰にでも起こりうる自然な反応です。実際、私がこれまで指導させていただいた選手の中にも、「自分はコーチに嫌われているから試合に出られない」といった言葉を口にする選手がいました。そのような言葉には、自分を守ろうとする気持ちが表れています。人は、傷つかないようにするために、無意識に「納得できる理由」を外に求めてしまうことがあるのです。
しかし、試合に出場するかどうかを決める役割を担っているのは、最終的にはヘッドコーチです。そして、与えられたポジションや役割を全うすることが、選手としての責任でもあります。
私がこれまで出会ってきた選手の中で、大きく成長していく選手には共通点があります。それは、今の環境や与えられた状況を「学び」に変える姿勢を持っているという点です。試合に出られない現実に悔しさを感じながらも、その状況から自分に足りないものや改善すべき点を探し出し、真摯に向き合おうとする姿勢。そうした選手こそが、まさに「探求者」として日々のパフォーマンスを1日1ミリ、1パーセントずつでも高めていくことができるのです。
私がメンタリングさせていただいたある選手も、大切な試合でメンバーに選出されないという悔しい経験をしました。しかし、その選手は最後まで準備を怠ることなく、自分にできる最大限の努力を続けていました。その姿勢に、私は強く心を打たれました。それこそが真のアスリートの姿であり、たとえ結果がすぐに出なくても、その努力は必ずどこかでパフォーマンスとして花開くと信じています。
結果が出ない時期こそ、自分と深く向き合うチャンスでもあります。目の前の評価に一喜一憂するのではなく、自分の成長を止めない姿勢を持ち続けること。それが、未来のチャンスを引き寄せる力になります。
選手として、あるいは人として、「どうすればもっと良くなれるか?」と問い続けること。どんな状況でも学び続ける姿勢を忘れないこと。その積み重ねが、いずれ自分の力となり、思いがけない好機を引き寄せてくれるはずです。
日々の挑戦の中で、自分の可能性を信じて、一歩ずつ進んでいきましょう。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸