コーチが選手に与えている影響

「コーチが言っていることはやらないが、コーチがやっていることをやる」
こんな言葉があります。
これはまさに、親と子の関係にも似ています。「親が言っていることはやらないが、親がやっていることをやる」。
人は誰かの言葉以上に、その人の姿勢や行動から大きな影響を受けるものです。
コーチが選手に与えている影響の大きさを、数値で測ることはできません。
しかし確かに、コーチの存在は選手の心や行動に何らかの影響を及ぼしているはずです。
そのことを思うと、コーチである私としては、選手たちの人生に少しでも「より良い影響」を届けられる存在でありたいと、心から願っています。
「言うこと」より「やること」、つまり“行動こそが最も伝わる”という言葉があります。
コーチは日々、選手に対して「挑戦すること」「自分を信じること」「あきらめないこと」を求めています。
しかし、自分自身の行動をふり返ったときに、果たして私は選手以上に挑戦しているのだろうか?
そう自問する場面が、これまでに何度もありました。
2009年に受講した、コーチングの学びを深めるための研修の内容をまとめたノートにこう書き記していました。
「選手は必ず変わる。必ずできる。
コーチがあきらめない限り、選手はあきらめない。
選手を信じることで、選手は自立する。
選手は少しずつ、少しずつ変わる。
期待しないで信じきる。
そして、心から見守り、自分の全てをぶつける」
当時の私も、選手に対してもっとも大切なことは「信じ続ける」だと感じていたようです。
それは今の自分のコーチングフィロソフィー(哲学)です。選手の変化はすぐに目に見えるものではありません。
でも、あきらめず、信じ、見守ることで、確実に成長していきます。
それを支えるのが、コーチの“あり方”なのだと思います。
コーチとは「教える人」ではなく、「共に挑み、共に変わろうとする存在」です。
だからこそ、選手に挑戦を求めるのであれば、まず自分自身が挑戦していかなければなりません。
選手たちは、コーチの言葉ではなく、コーチの背中を見て育っていきます。
そして、その背中から勇気や希望を感じ取ってくれるのです。
だからこそ、私はこれからも「信じる」「見守る」「挑み続ける」コーチでありたいと思っています。
見るべきは、自分自身の背中を自分でみれるか?なのだと感じる日々です。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸