20代で自分の価値を信じる力を持ちたい──自己肯定感の話

私が担当している大学の必修科目のひとつに、「グループワークの意味」をテーマとした授業があります。この授業は卒業単位に含まれているため、全員が履修しなければならない科目です。
そのため、グループワークが苦手な学生も否応なく参加しなければなりません。私は、これからの時代、他者と対話し、共に価値を創造していく力がますます求められると感じています。だからこそ、グループワークには大きな意義があると思っています。
しかし、私はそれを学生に「無理にやらせる」ことに対して、いつも躊躇があります。なぜなら、「自分が苦手だと強く感じていることを無理やりやらされる」という体験は、マイナスの印象や自己否定感を生み出しかねないからです。
実際、一人で黙々と作業することに集中力を発揮する人もいれば、逆に複数人の中で発言したり、議論を重ねることで自分の強みを発揮する人もいます。個性や得意・不得意は、本当に人それぞれです。
もちろん、社会全体としてはアウトプット型のアクティブラーニングが求められる時代に入っていますし、それが今後の教育の方向性であることも間違いありません。しかし、だからといって「それができない=劣っている」ということには決してなりません。
私は学生たちにこう伝えたいのです。
「自分の強みを活かして、できる仕事は世の中にたくさんあります。グループワークができなくても大丈夫!」と。
そして、自分がどんな場面で力を発揮できるのか、どんな環境であれば安心して自分を出せるのか、自分自身と向き合いながらその「強み」を見つけていってほしいのです。
自分の価値を信じる力、つまり「自己肯定感」を持つことは、20代という人生の土台をつくる時期においてとても大切です。時代がどう進化しても、社会の流れがどう変わっても、「自分の人生は自分で決められる」という事実は、決して変わりません。
グループワークが苦手な人も、どうか自分を責めないでください。劣等感を抱く必要もありません。あなたには、あなたにしかない強みがきっとあります。そしてその強みは、必ず誰かの役に立つ日がきます。
自分の価値を見つけ、自分の言葉で語り、自分のフィールドで輝いてください。誰かと比べる必要はありません。あなたがあなたらしく生きられる場所で、人生を築いていってほしいと、私は心から願っています。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸