楽しむことで運を味方にする人

プレッシャーがかかる状況で、あなたは自分の力を楽しんで発揮できるタイプですか?
それとも、緊張に飲み込まれ、実力を出し切れないまま終わってしまうタイプでしょうか?

私はこれまで、アスリートやコーチとして多くの現場に立ち会ってきましたが、勝負の世界で“運が強い”と感じる人には共通点があります。それは「楽しむ」ことができる人です。
プレッシャーを感じる場面であっても、自分らしくリラックスして臨むことができる人は、結果的に実力を発揮し、運を引き寄せているように思います。

では、「楽しむ」とはどういうことでしょうか?

人間は楽しむマインドを持つことで自然と緊張が解け、自分本来の力を発揮しやすくなります。ここで重要なのが、「いつも通りの自分」をどれだけ理解しているか、という点です。
本番で実力を出すには、自分がどんな時に調子が良いのか、どうすれば集中できるのか、自分を知ることが何よりの土台になります。

ところが、アスリートが大事な試合や舞台で「楽しもう」と意識しすぎるあまり、その“楽しむこと”自体が目的化してしまうケースも見られます。プレッシャーから逃げるために楽しもうとするのではなく、日々の積み重ねの中で「準備ができている」という自信があるからこそ、本番で“楽しめる”のです。

つまり、「いつも通りの自分」が試合以上の自分でいられる状態こそが、真に楽しめる状態。
それが結果的に運を味方にし、周囲から「勝負強い人」と見られる要因になっているのだと私は考えます。

では、「運を味方にする人」とはどんな人なのか?

それは、小さなことを疎かにせず、どんな時でも“やるべきことを丁寧にやる人”だと思います。練習や準備、生活習慣など、日常の細部にまでこだわり抜く人には、自然と運が引き寄せられてくるものです。運とは、偶然ではなく、必然の積み重ねの中から生まれてくるものなのかもしれません。

私はアスリートには、スポーツという非日常の中でしか味わえないプレッシャーを、恐れるのではなく楽しんでほしいと思っています。
プレッシャーを楽しむマインドを持つことで、「今、この瞬間に生きている」という実感を得られ、それが結果につながる。そしてそれこそが、運を味方にする力なのです。

最後に私が望むのは、コーチ自身が日々の準備を大切にし、細部にこだわり、やるべきことを丁寧にやり続けることです。
その姿勢こそが、選手に伝わり、やがてアスリート自身が「準備することが楽しい」「準備しているからこそ楽しめる」と感じるようになっていきます。
コーチの準備力が、選手の“運を味方にする力”を育てていくのです。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸


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