短時間で印象を残すプレゼンのコツ

プレゼンテーションにおいて大切なことの一つに、「いかに印象を残すか?」という視点があります。限られた時間の中で相手の心に残るプレゼンをするためには、いくつかのコツがありますが、私が一番大事だと思っているのは「最初の10秒」です。
プレゼンの冒頭で「この人の話をもっと聞いてみたい」と思っていただけるかどうかは、その最初の10秒で決まるといっても過言ではありません。逆に言えば、ここで心をつかめなければ、その後の内容がどれほど良くても、集中して聞いてもらえないこともあります。
では、どうすれば最初の10秒で印象を残すことができるのでしょうか。私が大切にしているのは、「自分の持っているバリュー(価値)を、等身大でしっかり伝えること」、そして「そこにユーモア性を加えること」です。
ユーモアといっても、笑いをとるという意味ではありません。相手の心をやわらげる、距離を縮めるためのユーモアです。誰もが「この人の話、面白そうだな」と思えば、自然とその話に耳を傾けてくれるものです。
これはテレビCMにも通じるものがあると思います。CMは15秒という非常に短い時間で、商品や企業の魅力を印象づけなければなりません。そこでは言葉選びやテンポ、音、映像など、すべてに計算された工夫があります。プレゼンも同様で、短時間で自分の魅力や伝えたいことを、いかに効果的に伝えるかが勝負です。
ちなみに、私自身の持っているバリューはと言いますと、「大きい身体」「いかついスキンヘッド」「容姿とはギャップのある笑顔」「優しいと言っていただける声」「相手に合わせる話のペース(ペーシング)」「結論から述べるわかりやすさ」などがあります。これらをあえて隠さず、むしろ活かすことで、「なんだか親しみやすい」「話を聞いてみたい」と思っていただけるよう意識しています。
昨日行われた卒論発表会では、私のゼミの学生たちがそれぞれの持ち味を活かした素晴らしいプレゼンを披露してくれました。特にゼミ長は、冒頭のゼミ紹介で自分自身の特徴的な名前をユーモアたっぷりに使い、「最初10秒のつかみ」が抜群でした。会場にいた他の学生たちの表情が、最初の数秒で「おっ」と変わったのが印象的でした。
また、体育会らしい声の大きさで、堂々と自分の研究テーマを紹介し、プレゼン全体を通して明るく前向きな雰囲気を作り出していました。スポーツコーチングゼミナールの持つ「明るさ」「楽しさ」「前向きさ」がしっかり伝わったのではないかと思います。改めて、プレゼンに堂々と挑戦してくれたゼミ長に感謝です。
ありがとうございました。
プレゼンは練習すれば誰でも上達しますが、「自分らしさ」と「相手への思いやり」を忘れずに伝えることで、もっと魅力的なものになります。これからも学生たちとともに、伝える力を磨いていきたいと思います。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸