夢を実現するための「続ける力」

夢を叶えた人に共通している言葉があります。
それは――「諦めずに追い続けてきた」ということ。つまり「続ける力」です。

私が出会ったある選手も、その力を体現してきました。

彼女がラグビーを始めたのは高校時代。もともとバスケットをしており、器用さはありましたが、特別足が速いわけでも、体格に恵まれていたわけでもありません。これといった武器があるように見えたわけではないのです。

しかし、彼女には強烈な志がありました。
「私はあのスタジアムでプレーしたい!」
自分が戦う舞台を具体的に思い描き、日本代表を目指して大学でも競技を続けました。当時のチームには日本代表選手が数多く在籍し、大学残留組も代表同等、あるいはそれ以上の厳しいトレーニングを積んでいました。その中で彼女は、ひたむきに汗を流し続けました。

大学時代、日本代表候補合宿に呼ばれることはあっても、怪我や不調で結果を出し切れず、落選を繰り返しました。悔しさは大きかったと思います。それでも彼女は諦めませんでした。代表入りを逃し続けても、「夢を追い続ける」ことを選んだのです。

大学4年間、チームではレギュラーとなり日本一に輝きました。けれども、日本代表の壁は厚く、その舞台には届きませんでした。

それでも彼女は社会人になってもラグビーを続けました。自分のペースを大切にしながら努力を積み重ねたのです。他人と比べるのではなく、「人は人、自分は自分」という感覚で、一歩一歩進み続けました。

ようやく日本代表デビューのチャンスを得たときも、体調不良で試合に出られない悔しさを味わいました。それでも彼女は前を向きました。

そして27歳。ついに日本代表として初出場の機会が訪れます。先発メンバーのコンディション不良による巡り合わせもあり、先発出場。彼女はその試合で世界5位を倒すという歴史的勝利に貢献し、夢を現実に変えました。

しかし、道のりは順風満帆ではありません。その後のワールドカップでは落選を経験します。それでも彼女はブレずに歩みを止めませんでした。小さな努力を積み重ね、自分だけの強みを磨き続けました。

今では日本代表の中でベテランとなり、チームを支える存在になっています。彼女がここまで来られたのは、才能だけではありません。志と努力、そして何より「続ける力」があったからです。

夢を追いかけるには、時に才能以上に「続ける力」が問われます。諦めず、歩みを止めず、苦しさの先に光を信じて進み続ける。その姿を、彼女は私に教えてくれました。

大舞台で輝き、日本代表の勝利に欠かせない存在となった彼女。これからも「続ける」ことを楽しみにしながら、その姿を応援し続けたいと思います。

そして、これからも遠慮なくラグビーを続けてくださいね!

ありがとうございました。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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