幸せを再認識するための振り返りの時間

幸せの定義は人それぞれです。私にとっての幸せとは「今」にあります。今この瞬間に存在していること、そして今起こっていることこそが幸せであると定義し、これまで生きてきました。
現在51歳。日々の生活や過程、その結果として必ずしも嬉しいことばかりが起こるわけではありません。笑顔でワクワクする瞬間もあれば、心が沈むこともあります。しかし、そんな日々を振り返ってみると、そこにも小さな幸せを見つけられることがあります。それこそが「今」の価値であり、私が幸せを実感する理由なのだと思います。
2026年には大学でのサバティカル休暇を控えており、その準備の一環として、研究と生活環境の違いを感じ取るための旅に行きます。行き先はオランダ、デンマーク、フィンランド。わずかな滞在かもしれませんが、そこでの暮らしを肌で感じてみたいと思います。特にデンマークとフィンランドは、私にとって初めて訪れる国です。
両国は世界的に「幸福度の高い国」として知られています。たとえば、2025年の「世界幸福度報告」ではフィンランドが1位、デンマークが2位にランクインしました(引用:AP News、Happier Lives Institute)。その他にもアイスランド、スウェーデン、オランダなど北欧諸国が上位を占めています(引用:World Population Review、People.com)。一方で、日本は55位と北欧諸国との差が際立つ結果となっています(引用:Happier Lives Institute、Human Resources Online)。
では、幸福度の高い国々の人々と、私がこれまで大切にしてきた「今を幸せと感じる生き方」とは何が違うのでしょうか。個人の感受性の差だけではなく、日々の生活や社会環境そのものが幸せの感じやすさに影響しているのかもしれません。今回の旅では、自分自身の「内」と「外」の視点から、日本を少し離れて見つめ直す機会にしたいと考えています。
さらに旅の終盤にはイングランドを訪れ、女子ラグビーの世界最高峰の戦いを観戦します。ワールドカップでイングランドの街がどのように盛り上がるのかを体感することも大きな目的のひとつです。ネット上では決して伝わらない現地の空気感、そして人生をかけてラグビーに挑む選手やスタッフの姿を生で感じる。その経験は、今後の研究や教育、そして私自身の「幸せな人生」をより豊かなものにしてくれる大きなヒントになると確信しています。
私は、日本も日本人も十分に幸せな国・社会であると感じています。ただし、幸せの感じ方は人それぞれ。現状を「幸せだ」と素直に感じきれないマインドセットが、日本には根強く存在しているのではないかとも思います。だからこそ、外からの視点を取り入れ、自分の感覚を問い直し、幸せの在り方を再発見する旅にしていきたいと考えています。
SPORTS BAR FEEL FREE オーナー
宮﨑 善幸