相手に響くメッセージの創り方

メッセージを伝える時、せっかくならば相手に届き、心に響くものにしたいものです。しかし現実には、長くまとまりがなかったり、何を言いたいのか分からなかったりするメッセージも少なくありません。どうすれば相手に届くメッセージをつくることができるのでしょうか。私は大切にしている3つのポイントがあります。

①正直さ

まず大切なのは「正直さ」です。人は、言葉そのものよりも、その背後にある誠実さや真剣さに心を動かされます。例えば、友人に「また今度会おうね」と社交辞令のように伝えるのと、「最近なかなか会えないから、来週ぜひ会いたい」と具体的に本心を伝えるのとでは、相手に伝わる温度がまったく違います。前者は軽く流されてしまうかもしれませんが、後者は「本当に会いたいと思ってくれているのだな」と相手の心に残ります。正直に伝えることは、ときに勇気が要りますが、その率直さが相手との信頼を築き、心に響くメッセージとなります。

②シンプルさ

次に大切なのは「シンプルさ」です。言葉を重ねるよりも、短く端的に伝えた方が相手の心に強く残ることがあります。私自身の体験をお話しします。高校3年生の時、全国大会出場をかけた県予選決勝の前夜、監督が一人ひとりにジャージを渡しながらメッセージを送る慣例がありました。私はキャプテンだったので最後に受け取りました。監督は私に「何も言うことはない。信じている」とだけ伝えてくれました。その一言が、私をキャプテンとして認め、仲間を任せてもらっていることを強く感じさせました。長い説明よりも、シンプルで力強い言葉ほど深く心に刻まれるのだと実感した瞬間でした。

③自分の言葉で伝える

三つ目は「自分の言葉で伝える」ことです。形式ばった言葉やよそ行きの表現ではなく、普段自分が使っている言葉で、心を込めて伝えることが大切です。例えば、感謝を伝える時に「このたびは多大なるご尽力を賜りまして…」と堅い言葉を並べるよりも、「本当に助かったよ、ありがとう」と普段の自分らしい言葉で伝えた方が、相手には素直に届きます。少し崩れた言い方でも構わないのです。むしろ、自分らしい表現だからこそ、その人にしか出せない温度感や思いが伝わります。


相手に響くメッセージを創るためには、特別なスキルが必要なわけではありません。正直であること、シンプルであること、自分の言葉で語ること。この三つを意識するだけで、伝わり方は大きく変わります。大切なのは「相手の心にどう届くか」を考え、言葉に魂を込めることです。私自身も日々このことを意識しながら、メッセージを届けています。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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