夫婦における子育ての役割分担

私たち夫婦には一人娘がいます。特別に話し合って決めたわけではありませんが、自然と子育ての中で役割分担が生まれていると感じています。
夫婦それぞれの中には、父性と母性の両方が存在します。父親である私にも母性があり、母親である妻にも父性がある。お互いが持つその両面を、無意識のうちに娘に向けて表現しているように思います。

私は仕事柄、外に出る時間が多く、妻は娘と一緒に過ごす時間が長い日常を送っています。妻は娘の喜びや悲しみ、怒りや楽しさといった感情を素直に表しながら接しています。時に厳しく、時に優しく、常に娘の気持ちに寄り添っている姿は、まさに母としての強さと温かさを感じます。

一方、私が娘に対して決めていることが一つあります。それは「怒らず・叱らずに子育てをしてみる」ということです。もちろん、娘が間違った行動をしたときには、そのまま放っておくわけではありません。私は娘と一対一でしっかり向き合い、言葉を交わすようにしています。真正面から向き合うことで、娘も自分の行動を振り返り、何が良くなかったのかを理解します。
それでも、感情のコントロールが難しい年ごろ。イライラしたり、思ってもいない言葉を母親にぶつけたりすることもあります。そんなときこそ、焦らず時間をかけて対話をするようにしています。感情が落ち着いたあとに向き合うと、娘の中にある素直な心が見えてきます。

また、妻に対して子どもが生まれたときに一つだけお願いしたことがあります。それは「私の悪口を娘の前で言わないでほしい」ということです。そして私も同じように、妻のことを娘の前で否定的に話すことはしないと決めました。
夫婦だからこそ、意見の食い違いやすれ違いがあるのは当然です。しかし、娘にとって両親は「人生の最初のモデル」です。どちらか一方を否定するような言葉を聞くことは、子どもの心に不安や偏りを生む原因になります。私たちはそれを避けたいと思い、お互いに約束を守っています。

子育てには正解がありません。家庭ごとに形があり、親の数だけ考え方があります。私たち夫婦も完璧ではありませんが、お互いを尊重し、信頼し合いながら「今できる最善の子育てを模索しながら」を続けています。
父性と母性のバランスの中で、娘が安心して自分を表現できる環境をつくること。それが私たちの目指す家庭の姿です。これからも妻と力を合わせ、娘への愛を軸に、成長を見守り続けていきたいと思っています。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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