ウェルビーイング──幸せであり続ける技術

近年、スポーツや教育、ビジネスの現場で「ウェルビーイング(Well-being)」という言葉をよく耳にするようになりました。
ウェルビーイングとは、単なる「幸福」や「健康」という意味を超えた、“心身ともに満たされた状態”を指します。
世界保健機関(WHO)は、健康を「身体的・精神的・社会的に良好な状態であること」と定義しており、これがまさにウェルビーイングの考え方の基礎となっています。
つまり、どれほど成功していても、どれほど成果を上げていても、心が疲弊していたり、周囲との関係が崩れていたりすれば、本当の意味でのウェルビーイングは得られません。
スポーツの世界では、勝利や成果を追い求める過程で心身に負担を抱える選手も少なくありません。だからこそ、結果だけでなく「過程の中でいかに幸せを感じながら挑戦を続けられるか」という視点が重要になってきているのです。
ウェルビーイングとは「幸せな瞬間を味わう技術」であり、「幸せであり続けるための習慣」とも言えるのです。
働くことは楽しく、学びになることばかりです。
しかし、どれほど好きな仕事でも、人との関係や自分との関係がうまくいかないと、心がすり減ってしまうことがあります。
ウェルビーイングを実現するためには、まず“自分自身との良い関係”を築くことが出発点です。
自分を追い詰めすぎず、時に立ち止まり、心の声に耳を傾ける。
「自分を整える」ことは、相手を理解する力や、感謝を感じ取る力を高めてくれます。
他者との関係性も同じです。
相手を変えようとするのではなく、相手の立場を尊重し、自分との違いを受け入れることが、豊かな人間関係を育てます。
ウェルビーイングとは、他者とのつながりの中で、自分が「どう在りたいか」を見つめ続けるプロセスでもあります。
スポーツの現場でも、結果や数字だけでなく、選手一人ひとりの“心の健康”を支えることが求められています。
たとえば、練習で限界まで追い込むことも大切ですが、それ以上に「なぜこの挑戦をしているのか」「自分にとっての幸せとは何か」を共有しながらチームで進むことが、持続可能な成長につながります。
ウェルビーイングとは、単に「休むこと」ではなく、「バランスをとること」。
努力と回復、集中とリラックス、挑戦と感謝。
このバランスを意識できる人こそが、長く輝き続けることができます。
これは選手だけでなく、コーチ、スタッフにも求められることです。コーチのウェルビーイングが高まれば、選手の内面も高まります。
幸せであり続ける技術──
それは、外側の評価ではなく、内側の充実を大切にする生き方。
毎日の小さな喜びに気づき、自分と、仲間と、社会と良い関係を築いていく。
ウェルビーイングは、人生を豊かにする「静かな力」なのです。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸
