6-13-3 成長を急がせない

私たちは、つい「早く成長したい」「すぐに結果を出したい」と考えてしまいます。しかし、本当の成長とは、短期間で劇的に変わるものではなく、小さな積み重ねの中で少しずつ育っていくものではないでしょうか。

どんなに良い学びや習慣も、一度だけでは自分の力にはなりません。大切なのは、「続けること」です。しかし実際には、それが最も難しいことでもあります。

新しい挑戦を始めた時、多くの人は最初は高いモチベーションを持っています。しかし時間が経つにつれ、気持ちが乗らない日や、「今日はやめておこうかな」と感じる日が出てきます。忙しさや疲労、結果が見えない不安によって、継続は簡単に揺らいでしまいます。

だからこそ重要なのは、「どうすれば続けられるか」を考えることです。

継続とは、自分を追い込むことではありません。完璧を目指すのではなく、自分の状態を理解しながら、自分に合った形で続けていくことです。少しペースが落ちてもいい。立ち止まりそうになっても、また始めればいい。その積み重ねが、やがて大きな変化につながっていきます。

そして、継続にはもう一つ大きな価値があります。

それは、「感度」が高まることです。

人は、余裕がなくなると、目の前の結果ばかりを追いかけてしまいます。しかし、少し立ち止まり、自分自身と向き合う時間を持つことで、今まで見えていなかったことに気づけるようになります。

小さな変化に気づく力。
自分の感情に気づく力。
周囲の人の変化に気づく力。

こうした“気づく力”は、人として成長していく上で非常に重要です。

これは、メンタリングにおいても同じです。

メンターは、相手を短期間で変えようとしてはいけません。人は、自分のタイミングでしか本当の意味では変わることができないからです。

だからこそ、メンタリングで大切なのは、「答えを与えること」ではなく、「成長を急がせないこと」です。

結果を急ぎすぎると、人は「できない自分」を責め始めます。そして、本来持っている強みや可能性まで見失ってしまいます。

しかし、「今の自分でも大丈夫」「少しずつでいい」と感じられる環境の中では、人は安心して挑戦できるようになります。その安心感が、行動を継続する力につながります。

そこで重要になるのが、「自己認識力」です。

自己認識力には、「自分で自分を理解する力」と、「他者から自分がどう見えているかを理解する力」の二つがあります。この二つのギャップが大きいほど、人は自分を客観的に見ることが難しくなります。

特に成長に欠かせないのが、他者からのフィードバックです。

ただし、誰からの言葉でも良いわけではありません。大切なのは、「愛のある批判者」の存在です。

それは、否定するためではなく、「もっと良くなってほしい」という願いを持って、本音を伝えてくれる存在です。

本当に成長する人は、耳の痛い言葉から逃げません。もちろん、すべてをそのまま受け入れる必要はありません。しかし、自分では気づけない視点に触れることで、自己理解は深まり、成長の幅も広がっていきます。

そしてもう一つ、信頼関係を築く上で欠かせないのが、「信じ続けること」です。

人を信じることは簡単です。しかし、うまくいかない時にも信じ続けることは簡単ではありません。結果が出ない時、期待とのギャップを感じた時、人は不安になり、信じることをやめたくなります。

それでも、相手の可能性を信じ、関わり続ける。その姿勢が、少しずつ信頼を育てていきます。

メンタリングとは、相手を思い通りに変えることではありません。相手の中にある可能性を信じ、その人自身が、自分の力で前に進めるよう支えていくことです。

成長は、直線的には進みません。立ち止まる日もあれば、後退しているように感じる日もあります。それでも、小さな継続を積み重ねることで、人は確実に変わっていきます。

だからこそ、成長を急がないこと。
そして、自分も相手も信じ続けること。

その積み重ねが、やがて大きな成長と深い信頼につながっていくのだと思います。

SPORTS BAR FEEL FREEオーナー

宮﨑 善幸

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