5-12-3 継続するための仕組み

夢を叶えた人の話を聞くと、共通して出てくる言葉があります。
「諦めずに続けてきた」
夢の実現には、才能や能力だけでなく、歩みを止めない「続ける力」が必要です。しかし、意志の強さだけで努力を続けることは簡単ではありません。苦しいときにも前へ進むためには、継続を支える仕組みが必要です。
その第一歩が、明確なゴールを持つことです。
「どこを目指すのか」が定まっていなければ、努力の方向が曖昧になります。反対に、自分が実現したい未来を具体的に思い描くことができれば、日々の小さな行動にも意味が生まれます。思うような結果が出ないときにも、「自分は何のために取り組んでいるのか」という原点に戻ることができます。
ある選手は、競技を始めた頃から大きな舞台に立つことを目標にしていました。決して最初からすべての能力に恵まれていたわけではありません。代表候補に選ばれても、怪我や体調不良で力を発揮できず、何度も選考から外れました。それでも競技をやめず、自分のペースで努力を積み重ねました。
他人と比べて焦るのではなく、「人は人、自分は自分」と考え、自分にできることを続けました。そして長い時間を経て代表として初出場し、歴史的な勝利に貢献しました。その後も落選などの苦しい経験を重ねましたが、歩みを止めることはありませんでした。
この選手を支えたのは、特別な才能だけではありません。目指す場所が明確だったこと、自分の強みを磨いたこと、そして周囲に可能性を信じ続けてくれる人がいたことです。
以前、指導していた元選手から「なぜ、私の可能性を信じてくれたのですか」と尋ねられたことがあります。その選手にも、できないことや苦手なことがありました。しかし、それ以上に、他の誰にも負けない強みがありました。そして何より、本人が自分のゴールを本気で信じていました。
可能性を信じるとは、すべてを肯定したり、必ず成功すると無責任に約束したりすることではありません。その人の中にある強みや成長の余地を見つけ、うまくいかない時期にも、その価値を見失わずに関わり続けることです。
世界で成果を上げ続けるハイパフォーマンスコーチに関する研究では、優れたコーチには、明確なビジョンを持つこと、環境に適応すること、自分以外の誰かのために力を尽くすこと、そして学び続けることという共通点があるとされています。
これらは、競技の世界だけに必要なものではありません。私たちが人生の中で何かを続けていくためにも大切な姿勢です。目指す未来を明確にし、状況に応じて方法を変え、周囲の人と支え合いながら、経験から学び続ける。この循環が、継続を意志の強さだけに頼らない「仕組み」になります。
継続とは、毎日同じことを完璧に行うことではありません。立ち止まる日や、遠回りをする時期があっても、もう一度自分のゴールに立ち返り、小さな一歩を踏み出すことです。
そして、人が挑戦を続けるためには、自分自身を信じる力と同時に、周囲から可能性を信じてもらえる環境も必要です。誰かが自分の強みを見つけ、可能性を信じ続けてくれることが、苦しいときの支えになります。その信頼によって、人は自分でも気づかなかった力を発揮できることがあります。
ゴールを持つこと。自分の強みを知ること。学び続けること。そして、自分と他者の可能性を信じ続けること。
この四つを日々の中に組み込むことが、夢に向かって歩み続けるための仕組みになるのではないでしょうか。
続けた先に必ず思い描いた結果が待っているとは限りません。しかし、続ける中で得た学びや出会いは、自分の人生を確実に豊かにしてくれます。だからこそ、自分の可能性に遠慮することなく、これからも自分らしい歩みを続けてほしいと思います。
SPORTS BAR FEEL FREEオーナー
宮﨑 善幸
